目的:遺族会において、サポートを提供している者(サポート源)の違いにより、受けているサポートが異なることやその効果の違いを明らかにし、今後の専門職として遺族ケアのあり方を検討することを目的とした。 方法:全国のホスピス・緩和ケア病棟の遺族会に参加した遺族を調査対象とし、自記式調査票を用いて調査を行った。調査期間は平成17年12月〜18年3月であった。 結果:ホスピス・緩和ケア病棟の遺族会に参加した遺族26名から回答を得た(平成18年3月末現在)。遺族の性別は男性14名、女性11名であった。遺族の平均年齢は63.7歳(SD=7.9)、最低年齢42歳、最高年齢80歳であった。遺族との関係は配偶者20名、子供(親を亡くした)4名、妹(姉を亡くした)1名であった。死亡場所は一般病棟2名、ホスピス・緩和ケア病棟22名、自宅1名であった。死後経過年数は平均22.8ヶ月(SD=20.1)、最短1ヶ月、最長で86ヶ月であり、遺族会の入会経過年数は平均15.5年(SD=19.0)、最短1ヶ月、最長で86ヶ月であった。遺族会の参加回数は平均6.3回(SD=4.5)、最少1回、最多15回であった。 遺族会で遺族が受けているサポートには「情緒的サポート」、「認知的サポート」、「情報的サポート」、「専門的サポート」があり、今後、サポートを提供している者(サポート源)の違いにより、受けているサポートが異なることやその効果の違いについて、さらに分析を行い、今後の専門職として遺族ケアのあり方を検討する予定である。
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