研究課題/領域番号 |
16F15370
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
徐 開欽 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 主席研究員 (20250722)
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研究分担者 |
PERIYASAMY SIVAGURUNATHAN 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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キーワード | 水素発酵 / メタン発酵 / 藻類バイオマス |
研究実績の概要 |
油脂を高濃度に含有する汚泥廃棄物は高いエネルギー価を有するものの有効利用が難しく、また排水管渠や下水道等の公共施設の負担となっている。本研究では油脂を含有する廃棄物からの液体油脂の抽出に加え、抽出後の残渣からの水素の生成に重点を置いた研究を行う。従来、水素の前駆体は糖分であることが判明しているが、油脂が共存する環境下での糖分の発行による水素生産の実現可能性と効率化に取り組む。 (1)油脂抽出後のグリーストラップ廃棄物残渣からのメタン回収の改善: バイオ燃料としての油脂を抽出後のグリーストラップ残渣からのエネルギー回収性を向上させるため、水熱処理、フェントン反応、過酸化水素、アルカリ過酸化物の4種類の前処理を検討し、アルカリ過酸化物処理において、無処理と比較して40%のメタン収率の改善が確認された。 (2)様々な酸処理の海洋性藻類バイオマスからの水素生産に対する影響: 海洋性藻類Gelidium aminassiの余剰バイオマスからの発酵による水素生産効率を向上させるため、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸の各酸の希釈水による前処理を試みた。その結果、ポジティブな効果が確認されたのは硫酸処理のみで、無処理の場合と比較して約10%の水素収率の改善が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果や文献調査は一部をすでに論文化しているので、成果のアウトプットの点では十分進行しており、全体としておおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までの短期の水素生産実験の結果をもとに、連続的に長期にわたって安定して水素生産が可能となる方法を模索する。昨年度それぞれ個別に取り組んだ、大型海洋性藻類と微細藻類の混合処理に取り組みつつ、外来の水素生成細菌の追加投入(バイオオーグメンテーション)の影響について実験的に検討し、成果を論文や学会等で発表する。
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