研究課題/領域番号 |
16F16018
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 秀和 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80294130)
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研究分担者 |
BOROWIAK ALEXIS 大阪大学, 産業科学研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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キーワード | プローブ顕微鏡 / ナノドット / ナノピラー / 酸化物 / 誘電体 / 半導体 / PFM / C-AFM |
研究実績の概要 |
自己組織化的に形成された3次元的機能性酸化物ナノ構造に対して、走査型プローブ顕微鏡(ピエゾレスポンス顕微鏡(PFM)電気伝導度評価原子間力顕微鏡(c-AFM)など)により、ナノスケール物性評価を行い、そのナノサイズ効果を明らかにすることを目的とする。自己組織化強誘電体/圧電対BiFeO3ナノドット、圧電体ZnO/半導体NiOナノピラー構造を対象に、超微細3Dテンプレート基板とパルスレーザ蒸着法による自己組織化相分離結晶成長を組み合わせることにより、サイズ・形状が任意に規定されたナノ構造を形成する。得られたナノ構造に対し、その機能物性のサイズ依存性評価を明らかにし、形状設計による物性を制御向上させ、次世代ナノデバイス展開への知見を得る。今年度は、レーザMBE薄膜成長法により、逐次自己ナノ相分離を進行させることにより、酸化物ナノ構造母相中に形状を制御して成長させる。対象として、特に太陽電池応用が期待されるZnO/NiOナノピラーを選定し、X線構造解析により、両相が良好な結晶性を有して成長していることを確認した。走査型電子顕微鏡により数10nmスケールでナノドット、ナノピラー構造が形成されていることを確認した。さらに原子間力顕微鏡(AFM)をベースとしたピエゾレスポンス顕微鏡(PFM)により、ZnOマトリックス部分が圧電性を有し、NiOピラー部分が非圧電性であること、電気伝導度評価原子間力顕微鏡(c-AFM)により、ZnOマトリックス部分が半導体的、NiOピラー部分が非常に高抵抗であることを明らかにした。さらに作製条件を変化させ、高酸素雰囲気下ではZnOマトリックス部分の電気伝導度が減少し、NiOナノピラー部分が低抵抗化することを見出し、整流特性を確認した。これまで両相は大きな電気抵抗差を有していたが、同程度の抵抗率を実現でき自己組織化酸化物半導体デバイス形成を実現する有力な手掛かりとなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自己組織化ナノ構造作製において、作製条件コントロール(主としてナノ構造成長雰囲気)により、半導体デバイスに向けた物性制御が可能となったため。
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今後の研究の推進方策 |
作製条件の一層の精密制御により、より微細なNiO/ZnOナノ構造を創製し、物性評価を行う。 さらにその知見を、BiFeO3系ナノドット系に展開し、強誘電性のサイズ限界を明らかにし超高集積強誘電体メモリの性能限界を解明へとつなげる
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