研究課題
昨年に引き続き、魚の鱗など様々な原料を用いたヘテロ元素導入多孔質カーボン材料の合成と電気化学的評価を行った。またCoWO4ナノ粒子を簡易に合成する方法を見いだした。この材料は、グルコース検出のための非酵素型センサーとして優れた性能を示す事が分かった(検出限界0.7 µM、1416 µA mM-1 cm-2の高感度)。一方、産総研敷中博士とも共同で、木質材料から特別な方法(酵素を用いた抽出法)で抽出されたリグニンを原料にしたポーラス材料合成にも取り組んだ。従来法によって得られるリグニンは、水に不溶であったが、本法によるリグニンは水溶性であるという特徴を持つ。そこで、テンプレートとなる水分散のシリカ球をリグニン水溶液と混合して構造の組織化を行い、窒素雰囲気かでの加熱によるリグニンのカーボン化と、フッ酸処理によるテンプレートシリカの除去によって、多孔質体をえる事に成功した。さらに、高強度と高イオン伝導率を併せ持つゲル電解質の開発を目指して、垂直配向ナノシートと高分子が複合化されたゲルの合成を試みた。アガロースまたはポリアクリルアミドと、ナノシートが複合化されたゲルを得る事に成功した。しかし、このゲルの電気化学的特性評価を行ったものの、特筆した性能が得られなかった。合成法はほぼ確立したので、今後、ナノシートと高分子の種類を変えるなどの最適化を行う事により、実用的な物性をもつ複合素材の合成につなげていきたい。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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