研究課題
本研究では、がんの根治に向けて、がん細胞だけでなく、がん組織を制御する新たなアプローチを創出することを目指している。本年度は、ポリアミノ酸の側鎖に低分子化合物Aを導入したポリマー型リガンド分子を開発し、その機能を確認した。具体的には、ポリアミノ酸の側鎖に化合物Aと類似の化学構造を有するBを導入することによって、ポリマー型リガンド分子AおよびBを構築した。その結果、ポリマー型リガンド分子Aのみが種々のがん細胞と強く相互作用することが明らかになった。また、競合阻害実験によりポリマー型リガンド分子Aが受容体特異的ながん細胞との相互作用を示すことも確認された。さらに予備実験でポリマー型リガンド分子Aはin vivo環境においてもがん組織と選択的な相互作用を示すことが確認された。
3: やや遅れている
当初計画に従って、がん組織を標的化するための新規アプローチの創出を目指して、新規ポリマー型リガンド分子の開発を進めた。フォトサーマル治療(PTT)への展開に関しては、当初計画よりも遅れているが、新規リガンド分子の開発に成功しており、今後は効率的に進めることができるものと考えている。
がん細胞の標的化のための新規ポリマー型リガンド分子の開発に成功し、そのin vivoでの機能も明らかになりつつある。そこで今後の計画としては、このポリマー型リガンド分子のin vivo応用を目指して、膀胱がんの化学発がんモデルにおけるがん組織との選択的相互作用を検討する。さらに、ポリマー型リガンド分子に光増感剤を導入し、膀胱がんのPTTへと展開する。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 4件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
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