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2016 年度 実績報告書

新規ダウナー反応器を用いた石炭熱分解におけるタールの放出の制御と削減

研究課題

研究課題/領域番号 16F16077
研究機関東京農工大学

研究代表者

伏見 千尋  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50451886)

研究分担者 THANGAVEL SIVASAKTHIVEL  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2018-03-31
キーワード石炭 / 熱分解 / 流動層 / ダウナー
研究実績の概要

火力発電は現在の主要な発電方法であり、その方法の一つとして石炭をガス化したガスでガスタービンを駆動しその排熱で水蒸気を生成し蒸気タービンを駆動して発電する石炭ガス化複合サイクル発電(IGCC)が開発されている。更なる高効率化のためには、1000℃以下での石炭熱分解とガス化反応を行うことが必須である。
この研究では、粒子・ガス下降流(ダウナー)型反応器にて、900℃で予熱した熱媒体粒(ケイ砂)と水蒸気をともに供給した時のオーストラリア産の石炭の熱分解実験を実施した。生成する気体燃料(主に水素、一酸化炭素、二酸化炭素など)とタールや固体燃料(チャー)の生成量を測定した。
900℃に予熱したケイ砂の供給量を増やすことにより、ほぼ全量のタールを迅速にケイ砂の表面に固体炭素として付着して回収できることを明らかにした。これにより、従来で問題となっていた熱分解炉からのタールの放出を大幅に削減することができた。さらに、付着した炭素の解析を行い、重質タールの組成と類似していることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・ダウナー型反応器を用いて、900℃で予熱したケイ砂を石炭とともに供給した際の、熱分解反応の生成物分布を測定することができた。
・粒子の滞留時間(1秒未満)にもかかわらず、タールが迅速にケイ砂に付着して、タールの排出量が大幅に削減することができた。
・ケイ砂に付着した炭素の化学組成を明らかにし、重質タールと成分が類似していることを明らかにした。

今後の研究の推進方策

・化学組成、細孔分布、金属分含有量の異なる、複数の熱媒体粒子を用いて熱分解をお行う。熱分解直後の反応性について調べる。
・タールの排出量が多い条件と少ない条件を見出し、タールの排出量を意図的に増減できる熱分解条件を見出す。
・実験条件を踏まえて、石炭火力発電や石炭からの化学品生産システムの熱効率について算出し、最適化を行う。

備考

・C. Fushimi, S. Okuyama, M. Kobayashi, M. Koyama, H.Tanimura, H.Fukushima, S. Thangavel, K. Matsuoka, Fuel Processing Technology (submitted)  ・小林 美穂 第22回流動化・粒子プロセッシングシンポジウム「優秀ポスター賞」受賞

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ダウナー型石炭熱分解炉での熱媒体粒子表面の付着炭素の解析2017

    • 著者名/発表者名
      小山 雅代, 小林 美穂, Sivasakthivel T., 伏見 千尋, 松岡 浩一
    • 学会等名
      第82回化学工学会年
    • 発表場所
      芝浦工業大学(東京都江東区)
    • 年月日
      2017-03-06 – 2017-03-08
  • [学会発表] 水性ガスシフト膜反応器を用いた石炭ガス化複合サイクル発電システムの新規開発2017

    • 著者名/発表者名
      與那嶺 航・Sivasakthivel Thangavel・伏見 千尋
    • 学会等名
      第82回化学工学会年会
    • 発表場所
      芝浦工業大学(東京都江東区)
    • 年月日
      2017-03-06 – 2017-03-08
  • [学会発表] Investigation of reactivity of coal in a downer pyrolyzer with heat carrying particles and steam2016

    • 著者名/発表者名
      Miho Kobayashi, Masayo Koyama, Sivasakthivel Thangavel, Chihiro Fushimi*, and Koichi Matsuoka
    • 学会等名
      第22回 流動化・粒子プロセッシングシンポジウム
    • 発表場所
      東京大学 生産技術研究所(東京都目黒区)
    • 年月日
      2016-12-08 – 2016-12-09
  • [学会発表] Investigation of reactivity of coal in a downer pyrolyzer with heat carrying particles and steam2016

    • 著者名/発表者名
      *Miho Kobayashi, Hayabusa Tanimura, Hisako Fukushima, Chihiro Fushimi, Koichi Matsuoka
    • 学会等名
      5th Asian Conference on Innovative Energy & Environmental Chemical Engineering (ASCON-IEEChE) 2016
    • 発表場所
      横浜ホテルニューグランド(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-11-13 – 2016-11-16
    • 国際学会
  • [学会発表] 次世代石炭ガス化複合発電:三塔式循環流動層ガス化炉+ダウナー熱分解炉の開発2016

    • 著者名/発表者名
      伏見千尋
    • 学会等名
      化学工学会 秋季大会
    • 発表場所
      徳島大学(徳島県徳島市)
    • 年月日
      2016-09-05
    • 招待講演
  • [図書] Encyclopedia of Sustainable Technologies: Chapter 101042017

    • 著者名/発表者名
      Chihiro Fushimi, Guoqing Guan
    • 総ページ数
      17
    • 出版者
      Elsevier
  • [備考] 東京農工大学 工学部 化学システム工学科 伏見研究室

    • URL

      http://web.tuat.ac.jp/~cfushimi/

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公開日: 2018-01-16  

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