研究課題
本研究ではメタバーコーディングとメタゲノミクスの手法を用い,同所的に分布する真無盲腸類(食虫類)の食性と腸内微生物相の多様性解明を目指した.前年度までに収集したサンプルについて,その食性を明らかにするためのメタバーコーディングと同位体解析を行った.胃内容物から動物性および植物性のDNAを新たに抽出し,春,夏,秋の季節変化および標高(低,中,高)による違いを考慮した解析を行った.Illuminaプラットフォームを用いて,無脊椎動物についてはCOI,植物質についてはchloroplast trnl遺伝子をDNAバーコーディング領域とした.得られた配列データはスーパーコンピュータを用いて,既存のDNAバーコードデータとの比較を行い,真無盲腸類が食物として利用している無脊椎動物および植物質を明らかにした.腸内微生物相についてはメタゲノミクスにより腸内微生物相やその多様性を明らかにし,さらに真無盲腸類の種間,季節,標高による違いを解明した.研究では,真無盲腸類と同所的に分布するが生態学的・系統学的に異なるネズミ類との比較も行った.同位体分析は乾燥させた体毛を用い,種間,季節,標高を考慮して,C13とN15の同位体比をもとに食物連鎖において,同所的に分布する真無盲腸類がその生態学的位置を時系列で変化させていることを明らかにした.また,無脊椎動物への食物としての依存についても検証し,メタバーコーディングにより得られた結果との比較を進めている.一連の研究で得られた成果について現在投稿論文としての作成を進めている.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 9件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)
Palaeontology
巻: - ページ: -
doi: 10.1111/pala.12422
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