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2016 年度 実績報告書

Saccharum complexに内在する低温耐性の解明と低温耐性C4作物改変

研究課題

研究課題/領域番号 16F16094
研究機関北海道大学

研究代表者

山田 敏彦  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70343952)

研究分担者 ZHANG NA  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2016-10-07 – 2018-03-31
キーワード低温適応性 / トランスクリプトーム / ススキ属 / サトウキビ / ミスケーン
研究実績の概要

わが国在来種であるススキ属は、C4 植物の中で最も低温環境に適応し、低温下での光合成能力が高いなどの優れた特性を有するが、そのメカニズムの全貌はいまだに明らかにされていない。そこで、ススキ属の中で特に低温耐性に優れるオギと低温適応性のない代表的なC4植物のサトウキビ品種との間で作出した属間雑種個体(ミスケーン)およびオギとススキの両親系統を供試し、RNA sequencing (RNA-seq)によるトランスクリプトーム解析を行った。
オギ(系統:都城)、サトウキビ(KR06-139)およびミスケーン(JM14-72)の個体を株分けし、ポットに移植し、温室で生育させた。各供試系統は3個体とした。人工気象器にポットを移して生育させた。常温処理(26℃/18℃、14h明/10h暗)と低温処理(15℃/10℃、14h明/10h暗)を設けた。幼齢の葉を採取してRNAを抽出し、IlluminaのTruSeq Stranded Total RNA サンプル調製キットの手順に従って、RNAライブラリー調製を行った後、Illumina HiSeqでシークエンスを行った。
RNAシークエンスの結果、163.41Gb塩基対をリードし、アセンブルにより、207,033個のunigeneを得た。Unigeneの全長、平均長、N50、GC量は、それぞれ248.821,469bp、1,201bp、1,871bp、51.3%であった。Unigeneをアノーテーションしたところ、ソルガム(64.3%)、トウモロコシ(14.7%)、アワ(7.0%)、イネ(2.6%)であった。
ミスケーンではサトウキビ由来遺伝子が110,942個、オギ由来遺伝子が71,567個であった。現在、低温シグナル伝達因子等の低温耐性関連遺伝子の発現量にについて、オギ、サトウキビ、ミスケーンの各系統間での違いを解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ススキ属植物で低温耐性に優れるオギと低温耐性に劣るサトウキビ品種の雑種(ミスケーン)について、当初の計画通り、植物体の低温処理法ならびに最適RNA抽出法とRNAライブラリー調製法を確立することができた。抽出したRNAから調製したRNAライブラリーはIllumina HiSeqでシークエンスができて、低温耐性遺伝子に関するトランスクリプトーム解析できる多くのunigenesが得られた。

今後の研究の推進方策

シークエンスされたデータを整理して、配列データを解析ソフトで処理する。既存ゲノム情報を活用しながらリファレンスゲノムへのアライメントを行う。供試サンプル間で、リード数を数え、正規化した数値をもとに統計検定を行い、発現差異を調べる。アノーテーションと遺伝子オントロジーデータベースを利用しながら、低温条件で活性する遺伝子群を明らかにする。代謝産物に関わる候補遺伝子群をリスト化する。これらの一連のトランスクリプトーム解析から、ススキ属において低温適応性を強化している遺伝子群を研究終了時までに明らかにする。

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公開日: 2018-01-16  

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