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2016 年度 実績報告書

統合ゲノムワイド関連解析による活性酸素シグナルとストレス耐性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16F16099
研究機関岐阜大学

研究代表者

小山 博之  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90234921)

研究分担者 SADHUKHAN AYAN  岐阜大学, 応用生物科学部, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2016-04-22 – 2018-03-31
キーワードGWAS / シロイヌナズナ / 活性酸素
研究実績の概要

環境ストレスは、一般的に活性酸素ストレスを誘導する。この活性酸素生成は、エネルギー代謝の破たんなどに起因するが、その詳細な分子機構は不明である。このような背景から、この研究では、集団遺伝学解析により活性酸素耐性機構の解明に取り組んだ。過酸化水素過剰下での根の伸長阻害を指標に、シロイヌナズナでGWASを実施して、原因遺伝子の一つがアクアポリンであることを突き止めた。実際に、あるアクアポリン(水チャネル)の遺伝子発現レベルの違いは、過酸化水素耐性を決める因子で、遺伝子組換えにより過剰に発現した植物体を作成したところ、感受性になることが明らかとなった。アクアポリンは、酵母の実験では過酸化水素を輸送することが知られているが、植物体で遺伝子組換えを行って実証した例はなく、ストレス生理学において、インパクトがある成果である。
この研究では、遺伝子発現レベルでのGWASも実施して、①そのアクアポリン自体が過酸化水素耐性に関与すること(発現レベルが、その遺伝子座自体で決定していることを示す)、②プロモーターGUSレポーター組換え体を用いて発現レベルがプロモータ‐で決定されていることの実証、の2つのアプローチから、プロモーター変異により発現レベルが高い系統が感受性であることを示した。以上の解析は、ストレス生理学的には過酸化水素の輸送体を特定したこと、GWASにおいては発現レベルの遺伝変異機構を明らかにした点で新規性が高い研究と言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

重要な活性酸素である過酸化水素の耐性機構を、分子の特定と、変異機構の両面から明らかにできた。

今後の研究の推進方策

異なる活性酸素種耐性に関する研究や、転写制御系に生じる変異の同定にチャレンジする。本年の成果は、既に論文審査中で、修正実験を実施している。

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公開日: 2018-01-16  

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