研究課題
①SAMHD1およびDCAF1タンパク質を発現し精製することに成功したが、アクセサリータンパク質Vpxを精製するには至らなかった。E. coliの系統を変える、GSTタグをもつVpxタンパク質を構築するなど試みたが、結晶精製スクリーニングに必要なVpx-SAMHD1-DCAF1三者複合体を形成するに十分な濃度のVpxタンパク質を得るに至らなかった。②MA-IP6複合体結晶を得ることができ、2つの異なった形の結晶を回折実験に供し、2.7および2.5 Åの分解能で結晶構造を解くことができた。予想したとおり、IP6分子はタンパク質の塩基性の高い領域のアミノ酸残基と相互作用していた。両結晶のパッキングについてはMAの集合とIP6分子との観点から議論することができる。現在、スタンフォード大学との共同研究により、大阪のSACLAの2018年5月のビームタイムにおいてIP6のナノ結晶の室温におけるSFX実験を行っているところである。③トルコ薬用植物と合成化合物を基軸とした医薬スクリーニングについては、benzyl 3-hydroxy-23-oxoolean-12-en-28-oateがBcr-Abl陽性のK562細胞に対して最も有効で(IC50は9.3 μM)、腫瘍特異性とアポプトーシス誘導活性を示した。本化合物はAblプロテインキーゼを低いマイクロモルオーダーのIC50値で阻害するが、BRK, BTK, CSK, LYN BおよびSRCキナーゼに対する阻害効果はイマチニブより高いものであった。さらに、本化合物とBcr-Ablの複合体のドッキングシミュレーションの結果ベンジルエステル部分が幾つかの重要なアミノ酸残基と結合および疎水性相互作用を持つことが示された。全体として、本研究でジプソジェニン誘導体がキナーゼ阻害剤の新しいクラスとなることを示した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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