研究課題/領域番号 |
16F16303
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
芦名 定道 京都大学, 文学研究科, 教授 (20201890)
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研究分担者 |
TRONU MONTANE CARLA 京都大学, 文学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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キーワード | 殉教者 / キリシタン / カトリック共同体 / 記憶 / 聖人 |
研究実績の概要 |
17世紀のキリシタン時代から現代に至る、日本カトリック共同体(教会、修道会、学校など)における「聖人」「殉教者」についての歴史的記憶を分析解明するために研究が実施され、次のような研究成果が得られた。 1.「殉教研究」「キリシタン研究」に関する基本文献をリストアップし、それに従って、基本的な文献の収集を進めた。 2.研究代表者(受入研究者)は、「日本のカトリック殉教者」の「歴史的記憶」を分析するための理論的研究を行った。特に、歴史的記憶をめぐる哲学的議論(リクール)と、戦争や災害に関わる歴史的記憶をテーマとした基礎研究について、考察を行った。 3.研究分担者は、スペイン(バルセロナ)と東京で開催された国際研究会議において、口頭発表を行い、海外の研究者と意見交換・討論を実施するともに、文献調査を行い、文献収集を行った。 4.2016年度には、高山右近が福者に列福され、列福式が行われた(2017年2月7日、大阪城ホール)。これは、本研究の研究テーマである「日本のカトリク殉教者」についてのカトリック共同体と非カトリック共同体における歴史的記憶(認識、崇拝、記録)にとって最適な事例であり、日本のカトリック共同体における列福への取り組みを調査し、高山右近についてカトリック信者から聴き取り調査を行った(調査結果の整理・分析は、ほかの調査を含めて、2017年度に実施する予定である)。 5.2017年以降の本格的なフィールド調査に向けた予備調査を行い、今後の調査方針を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究分担者(外国人特別研究員)である、トロヌ・カルラさんに出産という事情が生じたため、当初計画のフィールド調査(インタビュー、アンケート)の一部について実施することができなかった。なお、研究分担者は、2017年度前半について、出産・育児に係わる採用期間中断を申請し、承認を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度前半は、共同研究者(トロヌ・カルラ)の出産・育児休暇となっているため、計画されているフィールド調査などは、2017年度後半に実施できるように、研究日程を設定し直して、研究が計画通り実施できるようにしたい。
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