研究課題/領域番号 |
16F16305
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
關 雄二 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 教授 (50163093)
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研究分担者 |
SAUCEDO SEGAMI DANIEL DANTE 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 外国人特別研究員 (10727671)
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研究期間 (年度) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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キーワード | 考古遺産 / 文化資源管理 / 都市開発 / パブリック・アケオーロギ / ペルー / リマ市 / 古代アンデス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「考古遺産」の概念と活用について、様々なステークホルダーが持つ視点を明らかにすることである。この目的を達成するための方法として、本研究では考古学や歴史学、言語学、教育の分野からなる学際的なアプローチを用い、これにより考古学視点のみに依存してきた従来の「考古遺産」の概念からの脱却を目指すことができると考えられる。 本年度は、ペルー共和国リマ市ラ・モリーナ区ワカ・メルガレホ遺跡を研究対象とした。この遺跡を選択した理由は、同遺跡が近年開発の進む住宅地に位置し、遺跡周辺で暮らす住民の大半が別の地域からの転入者であり、住民が「考古遺産」との関係を新たに構築する姿を観察できると考えたからである。 本年度の調査では、まず遺跡の考古学的情報を収集することに努めた。かつて実施されたワカ・メルガレホ遺跡の考古学調査報告書を入手し、これをもとに遺跡の図面を作成するとともに、表面観察によって遺跡の編年および近年の環境変動を明らかにした。具体的には、ワカ・メルガレホ遺跡は約紀元後100年にリマック川の流域に建築され、当時は砂漠の乾燥的環境下にあったが、近くに水路と小さな湖が存在していたことが判明した。おそらくはリマック川へのアクセスと水の管理という点が立地の上で重要であったと考えられる。 また、遺跡の活用に関しては、まずは遺跡にかかわるステークホルダーの同定に努め、このうち、文化省と区役所の管理者にインタビューし、それぞれの価値観を考察した。とくに後者の場合、遺跡という文化遺産の価値以上に、余暇の場所として開発(例えばパーキングの建築)を行っていくことに関心を持っていることが明らかになった。今後は、他のステークホルダーに対するインタビューを続け、遺跡をめぐる価値観の相違と交渉の過程を明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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