研究課題
本研究は、第一次世界大戦期の各国の外交政策を規律した国際的規範がいかに変容したのかを、日本・東アジアというレンズを通して解明するものである。特に、第一次世界大戦中から戦後にかけての各国の捕虜・抑留者への待遇、パリ講和会議やワシントン会議への日本の対応、日本の政治指導者や知識人の人種意識などについて分析を行い、国内外で史料調査を行うとともに、その成果を図書、論文、学会報告などの形で公表した。具体的な成果は、以下の通りである。1)奈良岡、マーフィーは、2018年6月に愛媛県松山市、徳島県鳴門市の俘虜収容所跡において、2019年2月に中国江蘇省南京市の中国第二歴史档案館、侵華日軍南京大屠殺遭難同胞紀念館、上海市の上海ユダヤ難民紀念館、上海淞滬抗戦記念館において、2019年3月にマルタの英国人墓地、海洋博物館、国立戦争博物館などにおいて共同調査を行なった。マーフィーは2019年1月に英国の国立公文書館、奈良岡は2019年2月に香港歴史博物館、同年3月にスイスの国際連盟文書館、チェコのカレル大学文書館で史料調査を行った。2)マーフィーは、第一次世界大戦期のドイツ人捕虜待遇に関する論文を執筆・投稿した。また、早稲田大学(2018年6月)、マルタ(2019年3月)において研究報告や講演を行った。3)奈良岡は、日本政治外交史の教科書(共著)を刊行し、本研究による成果を通史的記述の中に盛り込んだ。また、ロシアのサハリン国立大学(2018年9月)、イタリアのサピエンツァ大学(2019年3月)などで報告を行った。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件) 図書 (1件)
Schmidt, Jan and Schmidtpott, Katja (eds) The East Asian Dimension of the First World War: Global Entanglements and Japan, China, and Korea 1914-1919, (Campus Verlag, Frankfurt, New York, forthcoming)
巻: - ページ: 23pages
Clarke, Joseph and Horne, John (eds), Peripheral Visions, European Soldiers and Cultural Encounters in the Long Nineteenth Century (Palgrave, London, in press, 2018)
巻: - ページ: 343-363