研究課題
研究分担者のボルトはモンゴル国西部のZavkhan Terrane に分布する原生代末エディアカラ紀の地層についてのこれまでの研究成果(主に博士論文の内容の未公表部分)について論文化ならびに国際学術誌への投稿を進めている。また、彼女はすでに同国で採取した岩石地層試料を日本に送付し、主要元素組成、微量元素組成、そして同位体比などの多種類の化学分析試料の作成を開始した。主にエディアカラ紀の石灰岩について無機/有機炭素同位体比の測定、また各種火成岩中のジルコンおよび砂岩中の砕屑性ジルコン粒子のU-Pb年代測定のための試料作りを行った。さらに研究代表者とともに夏季に開かれる複数の国内/国際学術会議(日本惑星地球科学連合大会、IGCP-630、Kherlen Int. Geol. Exped.)に参加するため内容の要旨を作成して講演を申し込んだ。また代表者おおよび分担者は、次年度夏季に予定しているモンゴル国北部の地質に関して、複数の大学院生とともに多数の文献を読破し、研究の焦点を絞るとともに、具体的調査計画の立案を進めた。
3: やや遅れている
研究分担者は、JSPSでの採用が決まった直後の夏の終わりに長女を出産したため、来日が予定より遅れた11月となった。また彼女の家族の事情で、乳児の育児を助けるものを見出せ中ったため、11月の来日時に、JSPSに3ヶ月の育児休暇を申請した。JSPSからこの申請が承認されたため、月末に一旦帰国した。その後再び2017年3月に来日し、1ヶ月間だけ研究を行い、次年度へと継続させている。このような事情のため、研究開始が当初計画していたよりも遅れている。しかし、その間に分担者自身によってすでにモンゴル国で採取済みの岩石試料を、船便で東京大学に郵送した。そのため、3月初めに分担者が到着した直後からすぐに試料の分析を始めることができた。特に岩石薄片の作成とU-Pb年代測定のための鉱物ジルコンの分離を精力的に進めている。また次年度夏季に予定しているモンゴル国北部の地質に関しての既存情報を整理し、研究の焦点を絞ることによって、具体的調査計画の立案を進めている。次年度もこのペースで臨むと年度半ばまでに元々の計画時の進捗状況に追いつくと判断される。
2017(H29)年度には、まず既存の岩石試料を用いて、各種岩石試料の分析を進める。東京大学のみならず、連携研究者がいる東京大学大学院理学研究科や学習院大学理学部においても分析を実施する予定である。その結果に基づき、次の研究計画について修正を行いつつ、新たな試料採取の計画を立てる。特に夏季8月には、代表者、分担者および研究室の複数の大学院生は、モンゴル国北部の地域に赴き、約2週間にわたって現地での野外地質調査と岩石試料採取を行う。主にエディアカラ紀からカンブリア紀にかけて堆積した石灰岩および砂岩に注目し、各々同位体比測定および砕屑性ジルコン年代測定用の試料を大量にかくおする予定である。さらに先に申し込み済みの3つの国内/国際学会において講演を行う予定である。また秋季に予定されている日本地質学会およびアメリカ地質学会に講演の申し込みをする予定である。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 5件)
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