研究課題/領域番号 |
16F16410
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿部 郁朗 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (40305496)
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研究分担者 |
WONG CHIN PIOW 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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キーワード | 生合成 / 酵素 / 遺伝子 / 反応機構 / 物質生産 |
研究実績の概要 |
本研究では、ステロイドに匹敵する多様で重要な生物活性を有し、医薬品開発が期待される、メロテルペノイドの生合成マシナリーの精密機能解析と物質生産を主たる目的とした。漢方薬として古くから珍重されている、霊芝など、担子菌Ganodermaに特徴的な、極めて新奇で複雑な骨格を有する生理活性メロテルペノイドの生合成研究に着手した。まず、生産菌のドラフトゲノム配列の解読により、候補となる生合成遺伝子クラスターを探索し、次に、これを異種発現系に再構成することにより、その生合成経路を確立、物質生産系の構築をめざした。また、研究を通じて見出された特異な反応を触媒する酵素については、精密機能解析や酵素反応機構の解明、タンパク工学への展開をはかる。
同時に、各種重要な生物活性を示す一連のインドールアルカロイドの生合成研究にも着手し、28年度はハパインドール骨格構築の鍵となるプレニル転移酵素AmbP3のX線結晶構造解析にも取り組んだ。大腸菌に発現、精製した組み換え酵素の結晶構造解析により、2オングストロームの分解能で酵素立体構造の取得に成功した。現在、関連酵素との構造の比較、立体構造に基づく部位特異的変異の導入などにより、活性部位を構成するアミノ酸残基を特定を試みており、酵素反応機構、および、構造機能相関の解明に取り組んでいる。他にも、関連する数種の二次代謝酵素の結晶化にも既に着手しており、上々のスタートをきった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メロテルペノイドの生合成マシナリーの精密機能解析に加え、インドールアルカロイドの生合成研究にも着手、骨格構築の鍵となるプレニル転移酵素の結晶構造の取得にも成功した。上々のスタートをきった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も引き続き、生物活性メロテルペノイドの生合成遺伝子クラスターを構成する遺伝子を、麹菌の異種発現系に再構成することにより、その生合成経路を確立し、物質生産系を構築をめざす。また、生合成遺伝子クラスターを構成する各酵素について、他のホモログ酵素との配列比較、または、ホモロジーモデルなどに基づく、部位特異的変異の導入などにより酵素の構造機能相関を検討し、酵素反応機構の解明と分子多様性創出をめざす。さらに、各酵素の潜在的触媒能力を利用してコンビナトリアル生合成による非天然型新規メロテルペノイド生合成マシナリーの構築に着手する。 また、インドールアルカロイドの骨格構築の鍵となるプレニル転移酵素の結晶構造解析、酵素構造機能解析についても、同時に研究を進める。
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