研究課題/領域番号 |
16F16759
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原 隆浩 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (20294043)
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研究分担者 |
ZHAO WEI 大阪大学, 情報科学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2016-07-27 – 2019-03-31
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キーワード | クラウドコンピューティング / ストリーミング / ハイブリッドクラウド |
研究実績の概要 |
本研究では、パブリッククラウドとプライベートクラウドが混在する環境における効率的なストレージ管理について研究を推進する。このようなハイブリッドクラウドストレージ環境では、クラウド間の機能的な違いやネットワーク環境の違いなどから、データアクセスの性能(遅延やスループットなど)およびコスト(費用など)に大きな差が生じるため、これらの違いを考慮したデータ管理技術を検討する必要がある。本研究では、アプリケーションとして特にリアルタイムビデオ配信を想定し、ビデオ視聴に要する遅延やジッター(データの到着間隔のゆらぎ)を与えられた費用内で最小化する手法を開発する。具体的には、複数のクラウド間で効果的にデータを複製し、効率的に協調スケジューリングを行うことで、この目的を達成する。 初年度の平成28年度は、まず最新の技術動向を含めて関連研究を十分に調査した。具体的には、ハイブリッドクラウドにおけるデータアクセスの特性について深く理解し、リアルタイムビデオ配信を行う上での既存技術の問題点を抽出し、本研究で対象とする課題を明確化した。その後、想定システムのモデル化と、課題を解決するための手法を設計した。具体的には、ビデオ視聴の性能を向上しつつ、金銭コストを最小化することを目的として、プライベートクラウドとボランティアベースのエッジコンピュータを有効に利用するためのスケジューリング手法の設計を行った。設計した手法の解析評価を進め、さらにシミュレーション実験のための開発を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全般として、研究開発は概ね予定通りに進んでいる。本研究は、平成28年度から開始した完全に新しい研究テーマであり、そのために当初の予定通り、今年度は関連分野のサーベイと問題定義を詳細に行った。また、その問題定義に従って、初期的なスケジューリング手法を設計し、評価実験のための開発を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の平成29年度は、平成28年度の研究を拡張して、ハイブリッドクラウドストレージ環境におけるリアルタイムビデオ配信のためのデータ複製手法および協調スケジューリング手法を考案する。本研究では、既存技術とは異なり、クラウド間のネットワークやストレージの性能差を考慮することで、より効果的なデータ管理およびスケジューリングを行うことを目指す。考案手法の有効性を、シミュレーション実験などにより詳細に検証する。 また、この年度では、初年度に引き続き技術動向と関連研究の調査を進めるとともに、積極的に研究成果の公表を行う。 最終年度の平成30年度は、平成29年度までの研究を継続して推進し、本研究のとりまとめを行う。
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