近年、社会のインフラとなるガスや水道など各種パイプラインの老朽化が進んでおり、また、地震や各種自然災害が多発生し、生産現場や生活環境における安心安全を確保することはますます重要な課題となってきている。 こうした社会的な背景を考慮して、本研究計画は、高温高圧環境条件で作業するためのロボットの技術研究開発を取り上げ、ロボットの断熱構造と動作機能の両立を目指して、熱分布の三次元可視化を計算機シミュレーションで行い、ロボットの制御機能への影響について詳細に考察している。 ここでは、具体的な例として管内走行ロボットの動作時における全身の温度分布変化について有限要素法で解析をしている。密閉されている管内で走行するロボットにとって自身の駆動回路やアクチュエータなどからも大量の熱を発生し、散熱しにくい状況にある。本研究では、二種類の駆動回路の散熱構造に対して、動作中におけるロボットの駆動回路の熱分布を計算し、散熱構造の結果を比較した。このような研究は、高温高圧環境で動作するロボットのための制御器設計を考える上で重要な示唆を与えることができる。 本研究の関連成果は、2017 IEEE International Conference on Advanced Robotics and Mechatronics (ICARM 2017)と2017 International Symposium on Micro-Nano Mechatronics and Human Science (MHS 2017)の二件の国際学術会議で発表された。
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