研究課題/領域番号 |
16F16793
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
鎌田 聖一 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (60254380)
|
研究分担者 |
DAMIANI CELESTE 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2016-11-07 – 2019-03-31
|
キーワード | トポロジー / 曲面結び目 / リボントーラス絡み目 / ループブレイド |
研究実績の概要 |
リボントーラス絡み目と呼ばれる4次元空間内の曲面がなす絡み目の研究を行った。ループブレイドを用いてリボントーラス絡み目を表す際に、どのようなブレイドの変形がリボントーラス絡み目のタイプを保存するかを調べるため、ループブレイドをさらに次元を1下げたweldedブレイドで表し、その変化を観察した。weldedブレイドでリボントーラス絡み目を表すことは、古典次元の結び目理論におけるAlexanderの定理に対応している。この研究では古典次元の結び目理論におけるMarkovの定理に対応する主張が成り立つことを目標としている。その際に、weldedブレイドの概念を拡張した「拡張weldedブレイド」を導入することが自然であることがわかった。拡張weldedブレイドは研究分担者である Celeste Damiani がこれまで研究を進めていたが、リボントーラス絡み目の「リバース」という操作を理解する上で、weldedブレイドの拡張は避けることができない自然なものであることが再認識された。拡張weldedブレイドに対応する結び目理論としてCeleste Damianiにより定義された「拡張welded絡み目」の概念があり、その不変量は今後の課題となる。 4次元球体内のリボン構造を伴ったアニュラスがなすタングル(リボンタングル)を用いたリボントーラス絡み目の分解において、アレクサンダー不変量を計算する方法について考察を行い、これまでに知られている結果を再確認し、今後の研究の準備を整えた。 平成28年11月に大阪市立大学で開催された研究集会「4次元トポロジー」、及び、平成29年1月に東京大学で開催された国際会議「The 12th East Asian School of Knots and Related Topics」で、研究成果の発表をCeleste Damianiが行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はブレイドを用いてリボントーラス絡み目の研究を行うための手法を整えることが目標であり、準備段階として順調であった。予定していた研究集会でCeleste Damianiによる発表も行った。
|
今後の研究の推進方策 |
拡張weldedブレイドの次元をあげた拡張ループブレイド(または拡張リボンブレイド)の曲面ダイアグラムに関して、基本変形を見つけ、不変量の構成を試みる。それに関連して、リボンタングルについても不変量の研究を行う。
|