研究課題/領域番号 |
16F16805
|
研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
鄭 顕志 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 准教授 (40434295)
|
研究分担者 |
HARVEY PAUL 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2016-11-07 – 2019-03-31
|
キーワード | 自己適応システム / アクターモデル |
研究実績の概要 |
IoT環境の発展により,様々な種類のセンサ・アクチュエータがインターネット上につながり ,それらを連携させたアプリケーションが容易に開発できるようになってきた.このようなア プリケーションは,ハードウェア故障,ネットワーク切断,制御対象の物理環境の変化など, 実行時に起こりうる様々な変化に対して柔軟に耐える適応性が求められる.このような適応性 を,異なるプラットフォームを横断して実現する必要がある. 本研究では,このような異種プラットフォームを横断する環境において,正しさが保証された 適応を実現するフレームワークを提案する.具体的には,(1)異種プラットフォームを横断す るアプリケーションを記述する言語と検証手法の構築,(2)言語と検証手法を用いた自己適応 フレームワークの開発,(3)プロトタイプアプリケーションの開発と評価を行う.
平成29年度は,まず,平成28年度で開発した言語とコンパイラを用いて,ロボット制御IoTアプリケーションのプロトタイプを実装し,そのケーススタディを通して言語の記述能力や検証能力を評価・ 改善した. また,異種プラットフォーム対応の自己適応フレームワークを,既存の単一プラットフォーム向けの自己適応フレームワークを,実行時における検証,プログラム再生成が可能となるよう拡張することで実現した.また,異種プラットフォームに必要な情報を観測するためのプルーバー,実行時に設定変更を可能とするエフェクタを埋め込み可能とするフレームワークを開発した.加えてこのフレームワーク上に,アクターベース言語で書かれたプログラムに基づき,アプリケーションの検証や,プログラムの変更を行う自己適応エンジンを開発した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的通り,プロトタイプアプリケーション開発を通じたケーススタディの実施,異種プラットフォーム対応の自己適応フレームワーク開発,フレームワーク上で動作する自己適応エンジンの開発を達成した.
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度は,主に,平成29年度に開発したフレームワークを用いた評価を行う.平成28年度で作成したプロトタイプを拡張し,作り込みではなくフレームワークを用いた実装に改良する .また,実行中の変化に対する適応を行い,正しさが保証された適応による品質維持能力について評価する.また,その実験結果を基にフレームワークの改良を行う.
|