研究課題/領域番号 |
16GS0118
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
西本 豊弘 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (70145580)
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研究分担者 |
春成 秀樹 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (20032708)
広瀬 和雄 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (90294272)
今村 峯雄 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (10011701)
藤尾 慎一郎 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (30190010)
坂本 稔 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (60270401)
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キーワード | 考古学 / 加速器 / 弥生農耕 / 年代測定 / 炭素14 / 国際情報交換 / 韓国・中国・ロシア |
研究概要 |
平成17年度は、西日本の縄文時代晩期から弥生時代を中心に、土器付着炭化物・木炭・種子など約1,600点の資料を収集した。年代測定は、日本版較正曲線の作成のための資料を含む669点を選び1,015測定を実施した。土器付着炭化物の内容分析についても、炭素と窒素の同位体分析による海洋リザーバー効果の有無やヒエ・アワなどの雑穀の利用について検討した。 中国の資料の年代測定については、中国社会科学院考古研究所と共同研究協定を結び、2名の研究員を受け入れて試料の前処理について研修を行い、18年度から中国の試料の年代測定を行うこととなった。17年度の研究成果は以下の通りである。 1.弥生時代の始まりは、世界基準の較正曲線が2004年版(IntCal04)に訂正されたが、これまでの較正年代に大きな変化はなく、紀元前900年頃と推測される。 2.樹木年輪の測定が行われた資料を用いて、弥生時代の日本版較正曲線を作る作業に着手した。その途中経過ではあるが、世界基準の較正曲線(IntCalO4)と日本版との大きなずれはない。 3.北部九州では、渡来人が水田稲作農耕をもたらした弥生早期の段階では、縄文晩期の土器が弥生土器と併用されていた可能性が高くなった。中国・四国・近畿地方への弥生農耕の広がりも、初期の段階では従来の縄文集落と新しい弥生集落が並存していたと推測される。縄文社会から弥生社会への移行はゆるやかに進んだようである。
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