研究課題/領域番号 |
16GS0202
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
保立 和夫 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (60126159)
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研究分担者 |
山下 真司 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (40239968)
何 祖源 東京大学, 大学院工学系研究科, 研究拠点形成特任教員 (70322047)
岸 眞人 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (00150285)
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キーワード | 光センシング / 光ファイバセンサ / スマート材料・構造 / 分布型センシング / 防災・危機管理技 |
研究概要 |
ブリルアン光相関領域解析法(BOCDA法)について、性能限界把握のためのシミュレーション法を構築した。光源周波数変調によりポンプ光とプローブ光の相関を制御し、光ファイバに沿う1点(相関位置)でのみ誘導ブリルアン散乱を発生させる。本機構を時間領域でシミュレーションすることに成功した。ポンプ・プローブ光間に周波数差を与える方法として新たにSSB変調法を導入し、不要な反射光による雑音を低減するためにロックイン検出を2段階で行う方法も発明した。光源への周波数変調に同期して強度も変調することで、相関位置以外で生じる誘導散乱スペクトルを平坦化してさらに雑音低減を図る技術も開発した。これら新技術により、空間分解能と測定レンジの比率を約10倍改善した。約30cmの空間分解能で1Km以上の測定レンジを達成した他、約2mmの分解能で6mのレンジも実現した。これら実験状況を上記シミュレーションにより検討し、両者で良い一致をみた。BOCDA簡素化システムについては、測定速度を高める検討を進めた。光源の干渉特性を合成することにより同一波長のFBGセンサを多重化する技術では、高速測定時に発生する問題を解決するための技術を考案して、測定速度を100倍高めて10KHzサンプリングを実現した。また、可干渉長を超える長尺ファイバに沿って配置したFBGも多重化できる新たな手法も発明し、実験系にて実証した。偏波維持EDFファイバの利得飽和を利用した歪分布センシング技術も提案して実証に成功した。さらに、光加入者系用リフレクトメトリの性能向上も図った。BOCDA法にて温度と歪の同時測定を実現するために、ブリルアン散乱特性の温度・歪依存性を解析する手法も開拓しており、偏波維持光ファイバのブリルアン特性の解析に成功した。建設会社との共同研究も展開し、大型コンクリート構造の荷重試験や実橋梁の歪分布センシングにBOCDA法を適用した。
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