研究課題/領域番号 |
16GS0205
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
細野 秀雄 東京工業大学, フロンティア創造研究センター, 教授 (30157028)
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研究分担者 |
平山 博之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60271582)
神谷 利夫 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (80233956)
柳 博 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (30361794)
田中 功 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (40155114)
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キーワード | ナノポーラス材料 / アルミン酸カルシウム / 活性酸素 / エレクトライド / 活性アニオン / 無機レジスト |
研究概要 |
直径0.44nmのケージが3次元的に結合し格子が形成されている12CaO・7Al_2O_3(C12A7)結晶を対象に、そのケージ中に包接されている酸素イオンO^<2->を他の通常の状態では不安定な活性アニオンで置き換えることで新機能の発現、新現象の発見を狙った。本年度の成果は以下のようにまとめられる。 (1)ケージ中のO^<2->イオンをO_2^-の置き換えた単結晶を合成し、CWおよびパルスESRを詳細に解析することでO_2^-の包接状態とその温度による運動状態を明らかにした。また,^<17>O_2を用いた実験からO_2^-とO^-の生成機構を解明した。 (2)C12A7エレクトライドの熱および冷電子放出特性を測定し、仕事関数の値が約0.5eVと極めて小さいことを見出した。そして、これを使って電界放出発光デバイスを試作した。 (3)C12A7エレクトラドの簡便で効率的な合成法を考案した。還元メルトの固化ならびに結晶化ガラスプロセスによって、C12A7単結晶を用いずに、短時間に大量に合成することが可能になった(特許申請)。 (3)C12A7エレクトライドの電子伝導の機構を、テラヘルツ時間分解分光によってキャリアの吸収を測定することで検討した。キャリア電子濃度が5x10^<18>cm^<-3>の試料では、局在準位間のホッピングによって伝導が生じ、その緩和時間は1psよりもかなり早いことが明らかになった。 (4)C12A7:O_2-+O-試料の酸化触媒活性を検討した。メタン+O_2からCO+H_2への反応が、NiやPdを担持したC12A7上で500度Cで生じることを見出した。 (5)C12A7:H-は紫外光だけでなく、電子線を照射しても、絶縁体から電子導電体に転化することを見出した。25keVの電子線の照射で約30個の伝導電子が生成した。
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