研究分担者 |
豊田 岐聡 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (80283828)
植田 千秋 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (50176591)
松本 拓也 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (50294145)
内野 喜一郎 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (10160285)
圦本 尚義 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80191485)
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研究概要 |
今年度は昨年に製作を行った超高感度極微量質量分析システムの基礎的な性能評価を行った。 1.本システムの基礎的な性能評価の一環として,微小領域における元素分布を可視化するテストを行った。銀板上に金メッシュを固定し,1次イオンの照射場所を変化させながら質量分析を行う事で,微小領域での元素分布が正しく得られるかどうかをテストした。本テストの結果,マイクロメートル以下の領域において元素の分布を正しくデータ取得でき,またデータ処理を適切に行う事で画像化(可視化)表示できることを確認した。 2.フェムト秒レーザーを用いた非共鳴多光子吸収による元素のイオン化効率の特性を詳細に調べるため,金,銀,銅,アルミニウム,シリコン,炭素,鉛,鉄などを試料としてレーザーパワー密度と生成するイオン量の関係を詳細に調べた。本実験により,パワー密度が10e14w/cm2以上の領域ではほぼ全ての試料が完全にイオン化されている事を確認した。 3.上記実験の結果を踏まえ,組成が既知の合金を試料としてレーザー非照射時と照射時におけるイオン強度に差が生じるかどうかを実験した。レーザーを照射しない場合は各元素の2次イオン化率が異なる事でただしい組成分布を得る事が困難であったが,レーザーを照射してスパッタされた中性粒子をほぼ完全にイオン化する事で,ステンレス系の試料においてはほぼ既知の組成通りのイオン強度比を得る事ができた。その他の試料においては既知の組成と異なる強度分布が得られる場合があり,その原因などについて検討を行った。
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