研究分担者 |
豊田 岐聡 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80283828)
植田 千秋 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50176591)
内野 喜一郎 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (10160285)
倉本 圭 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50311519)
松本 拓也 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (50294145)
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研究概要 |
本研究の目的は,今後の惑星科学探査ミッションにより地球に持ち帰られる宇宙試料の解析を目指した極微量試料用超高感度質量分析装置の基礎研究の創出と試作であった。 貴重な微粒子から宇宙の全記憶を解析するためには,原子レベルの3次元分析が必要不可欠であり,原子1個からの情報も無駄にはできない。しかし,このアトムカウンティングができる分析法は発展途上の段階にあり,装置開発から取り組む必要がある。本研究では,新しい発想の質量分析器を採用することにより,従来の分析装置と比較して格段に検出感度・検出精度を向上させた、二次イオン質量分析システムを開発した。 本年度は更なる性能向上を目指してフェムト秒レーザーを用いたポストイオン化の基礎実験を行った、その結果ほぼすべての元素を高い効率でイオン化できることが確認できた。また、本研究で観測できたレーザー強度とイオン化の飽和曲線は単純な多光子吸収からの予測とは異なっており、このような研究はほとんど類例がなく、全く新しい知見であった。 本研究の意義は惑星科学に限られるものではない。例えば、本研究で開発した分析技術は,次世代半導体デバイス開発に不可欠とされる極表面層の組成深さ分布の評価技術として半導体産業界に直接貢献できるものである。このように本研究の成果はわが国の分析機器業界発展に多大な効果が期待できるものである。
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