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カロリー制限あるいは食餌制限は下等動物から高等動物に至るまで、寿命を延長し、老化を遅らせることがよく知られているが、寿命研究のモデル動物として遺伝子レベルの研究の最も進んでいる線虫においては、カロリー制限による寿命延長の良い方法が確立していなかった。そこで、種々の食餌方法を試した結果、間欠的断食が線虫の寿命を著しく延長させることがわかった。この系を用いて、カロリー制限による寿命延長に関与する遺伝子の検索を開始したところ、寿命制御遺伝子としてよく知られているフォークヘッド転写因子DAF-16や脱アセチル化酵素SIR-2.1は、カロリー制限による線虫の寿命延長には関与しないことがわかった。現在さらに検索を続けている。線虫のMAPキナーゼファミリー経路を構成する遺伝子群をRNAi法でノックダウンすることによる寿命に与える影響について、網羅的に解析を行い、ノックダウンにより寿命が延長する遺伝子群と寿命が短縮する遺伝子群をそれぞれ同定した。各々について、寿命延長および短縮を導く分子機構について解析を進めている。アフリカツメガエルの初期胚発生において、MAPキナーゼファミリー経路のMEK5/ERK5経路が神経分化に重要な役割を果たしていることを前年度までに明らかにしていたが、今年度はさらにFGF13がMEK5/ERK5経路の上流で神経分化に必須の役割を担っていることを見い出した。PI3キナーゼ経路に関わる遺伝子SGK1のアフリカツメガエルオーソログを同定し、発現パターンおよび機能の解析を開始した。
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