研究課題
(1)RECKタンパク質の基本的性質に関する研究-Reck/Mmp2/Mt1-mmp三重欠損マウス由来線維芽細胞を宿主として可溶性His-タグRECK組換え体タンパク質を発現させ高度に精製する系を確立した。この精製タンパク質を用いて、酵素学的性質の解析および透過型電顕/単粒子再構成法による3次元構造の決定(解像度23.8A)を行った(大村ら、論文改訂中)。線維芽細胞中で発現させたGFP-RECKのタイムラプス蛍光顕微鏡観察およびRECK欠損線維芽細胞の挙動解析から、RECKが接着依存的な細胞移動において重要な働きを担うことを見出した(森岡ら、論文改訂中)。(2)遺伝子改変マウスによるRECKの役割に関する研究-Exon 2を標的としたconditional KOマウスを樹立し、このalleleのホモおよびヘミ接合体に異常がない事を確認した。この過程で得られたneoマーカーを含むalleleが機能低下型変異体(hypomorph)の挙動を示すことを見出した。また、Cre-ERを始めとする種々のCreトランスジェニック・マウスとの交配を開始した。Exon 1を標的としたconditional KOマウス2系統についても樹立の見通しが立った。(3)RECKの発現を制御する化合物および遺伝子の探索-RECKプロモーター誘導活性を持つ化合物を見出し、そのin vivoにおける活性の検定に向けた予備実験を開始した。(4)トランスフォーメーション抑制遺伝子の単離と作用機構の解明-RECKは正常細胞とがん細胞の間で発現に差が見られる。そこで、同様の遺伝子を探索する目的で、NIH3T3とv-Ki-ras悪性転換NIH3T3細胞の発現遺伝子プロファイルを比較し、NIH3T3で発現の高い遺伝子についてトランスフォーメーション抑制活性を調べるという実験を開始した。
すべて 2007
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