研究課題/領域番号 |
16GS0315
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内山 安男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10049091)
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研究分担者 |
柴田 昌宏 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10343253)
小池 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80347210)
佐々木 光穂 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20432536)
和栗 聡 福島県医科大学, 医学部, 教授 (30244908)
上野 隆 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10053373)
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キーワード | オートファジー / リソソーム / カテプシン / オートファジー性神経細胞死 / 低酸素脳虚血傷害 / LC3欠損マウス / Atg7欠損マウス |
研究概要 |
低酸素脳虚血傷害:中枢神経系で特異的にオートファジーを実行できないマウス、カスパーゼ依存性DNase(CAD)を欠損するマウス、カスパーゼ-3を欠損するマウス、野生型マウスを用いて低酸素脳虚血負荷実験を行った。新生仔野生型マウスに低酸素脳虚血負荷を行うと、24時間以内に海馬錐体細胞の約35%はカスパーゼ依存性に死に至り、残りは、カスパーゼ非依存性に死に至ることが分かった。しかし、カスパーゼ-3を欠損するマウスやCADを欠損するマウスでは、野生型マウスと同様に死に至ることが分かった。カスパーゼ-3を欠扣損するマウスではカスパーゼ-7が活性化されて死に至ること、CADを欠損するマウスでもDNAはヌクレオソーム単位で断裂することが明らかとなった。野生型新生仔マウスで調べると、錐体細胞にはオートファジーが誘導され、オートファジーができないマウスに低酸素脳虚血負荷をかけると錐体細胞はこれに抵抗性を示し、ほとんど死なないことが分かった。即ち、低酸素脳虚血負荷により、海馬錐体細胞はオートファジー性細胞死の経路が活性化されて死に至ることが分かった。本研究は、オートファジー性神経細胞死の存在を初めて示した研究である。また、成獣でも同様にオートファジーが誘導され、カスパーゼ非依存性の細胞死が起きることが分かった。(Am-JPabdに受理) IC3AとBを欠損するマウスの作製:現在、B6の系統でES細胞ができ、キメラマウスの作製を行っている。 中枢神経特異的カテプシンD欠損マウス:通常のカテプシンD欠損マウスでは生後26日で死に至ったが、同コンディショナルマウスは、生後6週まで生存し、遂には、リソソーム蓄積症で死に至ることが分かった。(論文作成中) オートファジーの隔離膜の由来に関する検討:オートファジーができないマウスと、カテプシンD欠損マウスのダブル欠損マウスを作製して現在検討中。
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