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2016 年度 実績報告書

代謝症候群における外因性一酸化窒素産生系の病因的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H00594
研究機関琉球大学医学研究科

研究代表者

仲宗根 淳子  琉球大学, 医学部, 技術専門職員

研究期間 (年度) 2016
キーワード亜硝酸塩 / 硝酸塩 / 代謝症候群
研究実績の概要

一酸化窒素(NO)は酸化反応によって不活性なnitrite(NO2-)及びnitrate(NO3-)に代謝されるが、最近nitrite/nitrateからNOが生成されることが報告された(Nature 2008)。Nitrateはホウレン草やレタスなどの緑葉野菜に多く含有されている。これらの背景を踏まえて、申請者は、外因性NO産生系の病因的役割を検討し、低nitrite/nitrate食の1.5~4.5ヶ月投与がマウスに血漿nitrite/nitrateレベル低下と代謝症候群を引き起こすことを見出した。この投与期間では体重の増加や高血圧は見られなかったが念のため低nitrite/nitrate食を1年以上投与してみたところ、体重の増加と高血圧が観察され更に生存率の低下も認められた。本研究では、この結果を踏まえて、低nitrite/nitrate食を1年以上投与したマウスの代謝表現型を解析し、血管内皮機能を評価し、更にその機序をRNA sequencingによって検討した。その結果、低nitrite/nitrate食の18ヶ月投与ではより重度の代謝症候群と血管内皮機能不全が見出され、22ヶ月投与では心臓突然死が認められた。この機序には腸内細菌叢の異常が一部に関与していることが示唆された。本研究において申請者は、食事中のnitrite/nitrateが不足すると代謝症候群、血管内皮機能不全、および心血管死が引き起こされることを明らかにした。本研究は、外因性NO産生系の病因的役割を初めて見出した点、及び、カロリー過多が無くても代謝症候群を惹起する食事成分の同定に初めて成功した点に学術的意義がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Long-term dietary nitrite and nitrate deficiency causes the metabolic syndrome, endothelial dysfunction, and cardiovascular death in mice2017

    • 著者名/発表者名
      Mika Kina-Tanada, Mayuko Sakanashi, Junko Nakasone, Masato Tsutsui, et al
    • 雑誌名

      Diabetologia

    • DOI

      10.1007/s00125-017-4259-6

    • 査読あり
  • [学会発表] Long-Term Dietary Nitrite and Nitrate Deficiency Causes Metabolic Syndrome in Mice.2016

    • 著者名/発表者名
      Tsutsui M, Kina-Tanada M, Sakanashi M, Ishida M, Uchida T, Kubota H, Matsuzaki T, Noguchi K, Nakasone J, Shimokawa H, Ohya Y, Arasaki A.
    • 学会等名
      American Heart Association, Scientific Sessions 2016
    • 発表場所
      New Orleans, USA
    • 年月日
      2016-11-13
  • [備考]

    • URL

      http://w3.u-ryukyu.ac.jp/pharmaco/Pharmacology/youkoso_yao_lihe.html

URL: 

公開日: 2018-01-18  

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