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2016 年度 実績報告書

新しい代謝制御システムに基づく、閉経後代謝障害の治療基盤の構築

研究課題

研究課題/領域番号 16H00679
研究機関株式会社日本生物製剤

研究代表者

山内 啓弘  株式会社日本生物製剤, 研究開発部, 研究員

研究期間 (年度) 2016
キーワードアドレノメデュリン / RAMP / 代謝障害
研究実績の概要

様々な生体内液性生理活性因子は、心血管系および代謝系制御の双方において重要な意義を有している。アドレノメデュリン(AM)は、心血管系をはじめ、全身の組織で広く産生される多彩な生理活性を有するペプチドである。AMの受容体CLRには、受容体活性調節タンパクRAMPが結合し、受容体機能を制御している。我々はこれまで、RAMPの中でもRAMP2が、心血管系におけるAMの機能調節に中心的役割を果たすことを報告してきた。一方、AMおよびRAMP2は脂肪組織においても高発現を認めるが、その代謝制御における意義は不明である。
RAMP2ホモノックアウトマウスは胎生致死のため、本研究では成体の得られるRAMP2ヘテロノックアウト(RAMP2+/-)雌マウスを用いて、卵巣摘出による閉経モデルを作成して高脂肪食負荷を行い、閉経後代謝障害におけるAM-RAMP2系の役割を検討した。10週齢雌マウスの卵巣摘出を行い、10週間の高脂肪食負荷を行ったところ、RAMP2+/-では、野生型と比較して体重増加がみられた。RAMP2+/-では、血清インスリンとレプチン値が高く、アディポネクチン値は低下し、インスリン抵抗性が見られた。また、白色脂肪の重量増加、脂肪組織のマクロファージ浸潤、炎症性サイトカインの発現充進を認め、肝臓では脂肪肝や線維化が亢進した。
次に脂肪組織におけるRAMP2の役割を検討するため、脂肪細胞特異的RAMP2ホモノックアウトマウス(A-RAMP2-/-)を樹立した。通常食下において、A-RAMP2-/-は野生型と比較して体重が増加し、白色脂肪組織の重量増加と線維化が見られた。
以上の結果から、AM-RAMP2系は心血管系機能制御のみならず、閉経後代謝障害においても重要な役割を持つことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Endogenous calcitonin gene-related peptide regulates lipid metabolism and energy homeostasis in male mice2017

    • 著者名/発表者名
      Liu T, Yamauchi A, Shindo T., et al
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 158

    • DOI

      10.1210/en.2016-1510

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Vasoprotective activities of the adrenomedullin-RAMP2 system in endothelial cells.2017

    • 著者名/発表者名
      Xian X, Yamauchi A, Shindo T., et al
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 158

    • DOI

      10.1210/en.2016-1531

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The endothelial adrenomedullin-RAMP2 system regulates vascular integrity and suppresses tumor metastasis.2016

    • 著者名/発表者名
      Tanaka M, Yamauchi A, Shindo T., et al
    • 雑誌名

      Cardiovasc Res.

      巻: 111 ページ: 398-409

    • DOI

      10.1093/cvr/cvw166.

    • 査読あり
  • [学会発表] Endogenous calcitonin gene-related peptide regulates lipid metabolism and energy homeostasis in vivo.2017

    • 著者名/発表者名
      Liu T, Yamauchi A, Shindo T., et al
    • 学会等名
      第81回日本循環器学会
    • 発表場所
      金沢 石川県立音楽堂
    • 年月日
      2017-03-19
  • [学会発表] プラセンタ製剤はサルコペニアおよび心臓カヘキシアを抑制する2016

    • 著者名/発表者名
      山内啓弘、平野栄一、新藤隆行, 他
    • 学会等名
      第3回日本サルコペニアフレイル研究会
    • 発表場所
      名古屋 今池ガスビル
    • 年月日
      2016-11-06
  • [備考]

    • URL

      http://www7a.biglobe.ne.jp/~shindo/

URL: 

公開日: 2018-01-18  

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