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2018 年度 実績報告書

スマートシティ実現のための多階層型データ解析及び最適化システムの開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 16H01707
研究機関九州大学

研究代表者

藤澤 克樹  九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (40303854)

研究分担者 瀧澤 重志  大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (40304133)
佐藤 憲一郎  関東学院大学, 工学総合研究所, 研究員 (30713531)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード数理最適化 / グラフ解析 / 高性能計算 / サイバーフィジカルシステム / IoT / AI / ビッグデータ / 都市OS
研究実績の概要

近年、最新技術の組合せや融合によって、安心、安全、便利ないわゆる超スマート社会(Society 5.0など)を実現するための様々な取り組みが世界中で推進されている。近年の ICTの向上により、実社会で起きている現象を、計算機上で事前にモデル化し、さらに環境変化に対するシミュレーションや最適化を実施することで、ビジネスモデルとしてのサイバーフィジカルシステム(CPS)を実現することができるようになった。
現在、多くの民間企業などと共同で、CPSを対象として大量のセンサーデータ(ヒト・モノの移動等)やオープンデータ(Wi-Fi 等の移動履歴)などを用いて、サイバー空間での最適化やシミュレーションを行うCPS モビリティ最適化エンジン(CPS-MOE)の開発を行っており、新しい産業の創出、コストや廃棄物の削減、交通機関の最適制御スケジュールの算出に寄与するサービスの集合体を構築して、利用者が”作業”、”生活”、”娯楽”、”安全”を行うための、最適な時間・空間を提供することを目的としている。さらに、CPS-MOEの実現のために特に以下の3つのモビリティを表現、予測、最適化及び制御するための数理・情報の新技術の提案・開発を推進している。
1: 情報(ヒトの興味、意思)のモビリティ:Webアクセス移動データ及びユーザの潜在的興味度を用いたユーザクラスタリング
2: ヒト・モノのモビリティ:位置情報検出と追跡(深層学習)、混雑検知や流れの最適化及び可視化
3: 交通(最適自動運転)のモビリティ:地域内自動運転(路車協調)+最適運転(パワーユニット&パワートレインシミュレータによる燃料消費量最小化)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究課題では配送業や小売系,製造業などを対象として、ヒト・モノの移動に関する最新の数理モデルによる現象の表現・再現・予測を目指して、現在の機械学 習などが苦手とする見えないデータ・過去のデータにない現象への対応を目指している。物理的な制約等により、ヒト・モノの移動に関する範囲や限度を数理モ デルで表現し、各施設固有の状態を深層学習等の AI 平成30年度は以下の民間企業との共同研究などによって以下の成果を達成することが出来た。
1:ハイブリッドシステムにおける数理的手法を用いた大域的最適制御 (トヨタ自動車との共同研究)& AI(深層学習), 最短路問題, 数理最適化( 混合整数計画問題(MILP),非線形最適化
2:サイバーフィジカルシステムにおけるヒト・モノのモビリティの数理モデルと実験的解析 (パナソニックとの共同研究) & 実工場における人流追跡とフロー最適化、人員のスケジューリング最適化及びレイアウト最適化
3:Webアクセスデータを用いた潜在的ユーザクラスタリングによるWebサイトの評価指標の提案(Yahoo! Japanとの共同研究) & AI(深層学習), 非負値行列分解 (NMF), 数理最適化(混合整数計画問題(MILP))
4:深層学習及び次元圧縮による良品・不良品分類と CAN データの解析(住友電工との共同研究)& AI(深層学習), 次元圧縮(多様体学習), グラフクラスタリング
5: 主に都市スケールの避難計画問題を,シミュレーションと数理計画の両面から行った.大阪市全域を対象とした津波避難において,徒歩帰宅者と津波避難者の大規模な人流シミュレーションを行うとともに,ボトルネックとなっている淀川橋梁のルーティングを段階的な最速フロー問題として定式化して解くことで,可能な限り速やかに避難者を逃がすような計画手法を開発した.

今後の研究の推進方策

今後の研究方策に関しては大きな変更点は無く、従来の計画通りに研究を推進する。民間企業との共同研究に関しては、実データを用いたデータ解析とビジネスアプリケーションの開発も行っていく。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 2件、 招待講演 11件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] Zuse Institute Berlin(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      Zuse Institute Berlin
  • [雑誌論文] Advanced Computing and Optimization Infrastructure for Extremely Large-Scale Graphs on Post-peta-scale Supercomputers2019

    • 著者名/発表者名
      Katsuki Fujisawa, Toyotaro Suzumura, Hitoshi Sato, Koji Ueno, Satoshi Imamura, Ryo Mizote, Akira Tanaka, Nozomi Hata, Toshio Endo,
    • 雑誌名

      Advanced Software Technologies for Post-Peta Scale Computing, Springer,

      巻: - ページ: 207-226

    • DOI

      10.1007/978-981-13-1924-2\_11

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Evaluating Energy-Efficiency of DRAM Channel Interleaving Schemes for Multithreaded Programs2018

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Imamura, Yuichiro Yasui, Koji Inoue, Takatsugu Ono, Hiroshi Sasaki, and Katsuki Fujisawa
    • 雑誌名

      IEICE TRANSACTIONS on Information and Systems

      巻: 101-D(9) ページ: 2247-2257

    • DOI

      10.1587/transinf.2017EDP7296

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Mobility Optimization on Cyber Physical System via Multiple Object Tracking and Mathematical Programming2018

    • 著者名/発表者名
      Nozomi Hata, Takashi Nakayama, Akira Tanaka, Takashi Wakamatsu, Akihiro Yoshida, Nariaki Tateiwa, Yuri Nishikawa, Jun Ozawa, and Katsuki Fujisawa
    • 雑誌名

      the Fifth International Workshop on High Performance Big Graph Data Management, Analysis, and Mining (BigGraphs 2018)

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1109/BigData.2018.8622146

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Hybrid Vehicle Control and Optimization with a New Mathematical Method2018

    • 著者名/発表者名
      Nariaki Tateiwa, Nozomi Hata, Akira Tanaka, Takashi Nakayama, Akihiro Yoshida, Takashi Wakamatsu, Katsuki Fujisawa
    • 雑誌名

      the 5th IFAC Workshop on Engine and Powertrain Control, Simulation and Modeling (E-CoSM 2018)

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1016/j.ifacol.2018.10.037

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 大規模グラフ解析と応用分野, ヒト・モノのモビリティに関する 新しい数理モデルと産業応用 --AI + グラフ解析 + 数理最適化--2019

    • 著者名/発表者名
      藤澤克樹
    • 学会等名
      産総研IMPULSEセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] Current and future plans with ABCI -- AI Bridging Cloud Infrastructure --,2019

    • 著者名/発表者名
      Katsuki Fujisawa
    • 学会等名
      BDEC2 Kobe
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Current and future plans with ABCI supercomputer2019

    • 著者名/発表者名
      Katsuki Fujisawa
    • 学会等名
      BEAM-ME project annual meeting
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ヒト・モノのモビリティに関する新しい数理モデルと産業応用 ~AI + グラフ解析 + 数理最適化~2018

    • 著者名/発表者名
      藤澤克樹
    • 学会等名
      人工知能学会合同研究会2018 データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会(SIG-DOCMAS)
    • 招待講演
  • [学会発表] AI + グラフ解析 + 数理最適化による新しい産業応用 ~ヒト・モノのモビリティに関する新しい数理モデルとその応用 ~2018

    • 著者名/発表者名
      藤澤克樹
    • 学会等名
      数学・数理科学4研究拠点合同市民講演会「AI社会の基盤は数学!」
    • 招待講演
  • [学会発表] 大規模 AI クラウド計算システム「ABCI」と新産業アプリケーションの開発,2018

    • 著者名/発表者名
      藤澤克樹
    • 学会等名
      電子情報通信学会 信号処理研究会(SIP)
    • 招待講演
  • [学会発表] AI + グラフ解析 + 数理最適化による新しい産業応用2018

    • 著者名/発表者名
      藤澤克樹
    • 学会等名
      九大-理研-福岡市 三者連携シンポジウム 「数理・AIが解く未来 -- 計算科学の展望と期待 --」
    • 招待講演
  • [学会発表] 建築・都市空間の計画と分析のための列挙手法2018

    • 著者名/発表者名
      瀧澤重志
    • 学会等名
      日本建築学会情報システム技術委員会デザイン科学数理知能小委員会 第1回デザイン科学数理知能シンポジウム,建築会館
    • 招待講演
  • [学会発表] 避難計画のための数理技術2018

    • 著者名/発表者名
      瀧澤重志
    • 学会等名
      大阪市立大学防災講座「自然災害と都市」,大阪市立大学文化交流センター
    • 招待講演
  • [学会発表] 空間の解析と生成:数理・情報科学による計画研究の拡張2018

    • 著者名/発表者名
      瀧澤重志
    • 学会等名
      関西建築技術研究会第301回本会,大阪府建築健保会館
    • 招待講演
  • [学会発表] 避難計画のための数理技術と主に大阪市を対象とした応用例の紹介2018

    • 著者名/発表者名
      瀧澤重志
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会2019年春季研究発表会,千葉工業大学
    • 招待講演
  • [備考] 九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 藤澤研究室ホームページ

    • URL

      http://opt.imi.kyushu-u.ac.jp/lab/index.html

  • [学会・シンポジウム開催] 3rd IMI-ISM-ZIB MODAL Workshop on Challenges in Real World Data Analytics and High-Performance Optimization2018

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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