研究課題/領域番号 |
16H01714
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平木 敬 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (20238348)
|
研究分担者 |
下見 淳一郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40417225)
宮野 悟 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50128104)
稲葉 真理 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (60282711)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 超高速インターネット / 秘匿性通信 / 安全性通信 / FPGA通信処理 |
研究実績の概要 |
本研究は、国内外での整備が進みつつある100ギガビット・インターネットの能力を高効率で活用し、秘匿性・改ざん耐性を持つファイル・ストレージ間を実現する。この目的の実現のためTCPおよび自己輻輳回避ソフトウェア、FPGAを用いるネットワークアクセラレータ、ネットワークRAIDストレージおよび暗号化・復号化、ハッシュ計算アクセラレータを研究開発し、実データサイトを用いた実証実験を行い、実運用への検証を行った。 上記目的は多岐に渡るため、単一ハードウェアやソフトウェアスタックの開発だけで目標を達成することは不可能である。本研究申請ではサブテーマ1から4までを同時並行的に研究開発することにより研究目的の達成を確実なものとするとともに、実証実験であるサブテーマ5を各研究年度に実施することにより、研究開発の進捗結果を確認するとともに、研究期間を通じた成果として論文発表を行った。 論文発表に関しては、FPGAを用いるALL IPアーキテウチャについては、インドニューデリー, APAN43において発表を行い、またスカイラインアルゴニズムのビックデータにおける成果をチューリッヒ工科大学における国際研究交流で講演した。また、100ギガビットのインターネットを高効率で用いるデータ転送に関する項目では、当初メラノックス社製ネットワークインタフェースカードを用いて実験を実施したが、高度な最適化を施しても目標の性能にたっしなかったため、本項目の評価は平成29年度へ繰り越し遅延させた。 研究期間は3年間であり、東京大学情報理工学系研究科がサブテーマ1から4を実施し、東京大学医科学研究所がサブテーマ5を理研AICS(京コンピュータ)、JGN-X、米国Internet2 と協力して実証実験を実施する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年9月までに、事前実験準備をし、100ギガビット予備実験を経て遠距離用実験システム構築を実施し、平成29年3月までに遠距離実験1、大規模システム構築、遠距離実験2、FPGA設計、海外における実証実験を実施し、とりまとめを行う予定であった。 平成28年7月、100ギガビット予備実験の過程において、その時点で使用しているネットワークインターフェースの性能評価を行ったところ、カタログ性能に反し、想定の70%の速度性能であることが判明した。研究遂行上、この影響を排除する必要があり、ネットワークカードの性能評価を追加で実施で行う必要が生じた。 評価の結果、使っていたメラノックス社製ネットワークインターフェースカードでは、目的を達成することは不可能であり、チェルシオ社製T6カードでは、高い可能性で100ギガに近い性能が出ることが判明した。しかしながら、T6カードは、平成29年度にしか入手できないことが判明した。そのため、この研究項目については、1年間の遅延があったが平成29年度にT6カードを無事入手し、性能が確認できた。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度にしか入手できないことが判明したチェルシオ社製のT6カードを入手し、ネットワークカードの性能評価を実施する。 そのほかの研究項目については、引き続き平成29年度の研究計画に沿って研究を推進する。
|