研究課題/領域番号 |
16H01718
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡辺 尚 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (90201201)
|
研究分担者 |
廣田 悠介 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20533136)
木下 和彦 徳島大学, 大学院理工学研究部, 教授 (40304018)
猿渡 俊介 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (50507811)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 無線ネットワーク / 無線通信 / ネットワーク制御 |
研究実績の概要 |
(1)電波資源を極大利用するL2技術 (1-1) FD/SICを高度に利用する方式:(1-1-1) 省電力化の検討:無線全二重通信(FD)の省電力化について検討した.送受信回路等のうち不要な回路をスリープさせる方式を考案し,IEEE Globecomなどで発表を行った.(1-1-2) 端末の多様性を考慮したFD通信方式:FD端末と半二重通信端末(HD)の混在を想定した制御について検討し,IEEE VTCなどで発表を行った. (1-2) 環境観測技術とセンシング:(1-2-1) 基本設計:環境観測技術の基礎のために集中制御によって,APが空間の状況を把握している前提で,指向性通信,Clustered NetMIMO等を行う場合の電力伝送効率・通信容量の理論モデルを構築した.(1-2-2)FDを用いた環境観測:FDを用いて,制御信号だけでなく周囲のセンシングを行う方式の基礎を検討した.(1-2-3) 無線電力搬送(WPT):複数のAPが連携してWPTを実現する方式を設計し,情報処理学会全国大会で発表した.(1-2-4) 無線センシング技術:電波状況を複数APが協調してセンシングし,人の動きなどを推定する方式の基礎を検討した. (2)低コスト性と柔軟性を兼ね備えたL3技術の開発 (2-1) 有線無線ハイブリッドアドホックネットワーク方式:OpenFlowを用いてフロー毎に動的に経路制御を行うことで輻輳回避やリンク障害回避技術を実現し,情報処理学会全国大会で発表した.(2-2)異種無線システム併用のための仮想化方式:周波数共用方式を援用してAPを仮想化し,実APを必要な資源量に応じて仮想APに割り当てる方式を検討し,情報処理学会全国大会で発表した. (3)電波資源を柔軟に利用可能とするL4技術の開発 柔軟性を定義する理論モデル:多様な要求に応えつつ資源を活用するL4の基礎を検討した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IEEE GlobecomやIEEE VTCなど著名な国際会議での4件発表を行っており、世界的に注目されている成果を挙げている。また、6件の国内発表では発表賞などを受賞しており、優れた成果と認められいてるため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、以下の課題に取り組む (1)電波資源を極大利用するL2技術 (1-1) FD/SICを高度に利用する方式 (1-1-1) 省電力化の検討:送受信を合わせる省電力化方式を実験等によってさらに検討する.(1-1-2) 端末の多様性を考慮したFD通信方式:ダウンリンクとアップリンクの非対称性を考慮した手法を検討する.(1-2) 分割・集約トラフィックシェーピングMACの設計を行う.(1-3) 環境観測技術とセンシング (1-3-1) FDを用いた環境観測:レートレス符号等とFDを用いて,いち早く周波数資源を解放する方式を開発する.(1-3-2) 無線電力搬送:逆ビジートーン駆動無線電力伝送プロトコルを開発する. (2)低コスト性と柔軟性を兼ね備えたL3技術 (2-1) 有線無線ハイブリッドアドホックネットワーク方式 実際のOpenFlowスイッチを用いてパス遅延やスループット,障害時の復旧時間などを計測し,問題点を明らかにし対処法を検討する. (2-2) 異種無線システム併用のための仮想化方式 L2情報を利用したクロスレイヤ制御によってより適切な割り当てを実現する方式拡張を検討する. (3)電波資源を柔軟に利用可能とするL4技術 時間変動する資源を活用するために,L4の信頼性,帯域,遅延を特徴付ける理論を検討する.また,チャネルの変動に対して実際の符号化や変調方式を用いるとどの程度限界値に近づけるかの検討を行う.また,実環境における性能についても検討する.さらに,レートレストランスポートの設計として理論限界の導出に加えて,下位層を考慮しながらアプリケーションの要求を満たすL4通信方式を検討する. (4)実験システムによる実証実験とハードウエア化に向けたアーキテクチャの設計 開発したL2技術をさらに検証するための無線通信基礎実験装置を設計し実験を行う.
|