研究課題
基盤研究(S)「心の自立性の獲得-環境から解放された心の進化と発達」(16H06301)が採択されたので、本課題は5月30日付けで辞退することとなった。以下には事業開始より2ヶ月間の成果を記す。藤田は、フサオマキザルを対象に、将来の必要性を予期した準備的行動の分析を開始した。遅延時間明示型の遅延見本合わせ課題において、比較刺激選択直前に見本刺激が再掲される「review」キーを遅延時間の初期にだけ準備的に選択しておくことができるように設定し、遅延の長さや課題の難度を操作して、低正答率が見込まれるときに予備的なreviewキー選択が増加するかを分析する予定である。本期間内には、遅延時間が明示される条件でサルの記銘/保持方略がいかに変化するのかを予備的分析としておこない、サルは遅延の明示が記銘時であるか保持時であるかによって、この方略を柔軟に切り替えるという事実を得た。またこの方略の選択には大きな個体差があった。また同期間にネコが容器を左右に振ったときのノイズから、物体の存在/不在を推理できることを明らかにした論文を公刊した。具体的には、動きに同期した音がしたにもかかわらず、容器を逆さにしたときに物体が落ちてこない、あるいは音はしなかったにもかかわらず、物体が落ちてくる矛盾した事態を見せると、ネコは驚いて、注視時間の延長と探索行動の増加が生じることを示した。板倉は、他者理解に関する発達的研究を実施した。アニメーション刺激を用いた期待違反法の実験により、16カ月児において、他者の援助の必要性の理解と自身の援助行動の発現のリンクを示した。またこのようなリンクは、微細運動の発達と社会的スキルによって影響されることがわかった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 謝辞記載あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 備考 (2件)
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