研究課題
実世界と情報環境の効果的な融合を目指した拡張現実感(AR)の研究においては,目の前の実世界の映像をディスプレイに表示し,その上に情報を重畳表示する方法が成功を収めている。これは,あくまでディスプレイの中で,現実が拡張されたように感じるという技術である。それに対して,本申請課題では,映像プロジェクタをベースに,ビット情報を画素の高速点滅という形で投影する「情報投影技術」の確立を目的とする。これは,実際に現実世界にビット情報を行き届かせ,位置に応じた空間分割型の情報通信を可能にするものである。このために申請者らは,画素単位での可視光通信を可能にする可視光通信プロジェクタの検討を進めてきた。具体的には,以下の3つに取り組んできた。① インタラクティビティの向上:ソフトウェアで実装してきたプロトコルを検証し,データ生成のFPGA化を完了した。これによって動的なデータ重畳が可能になり,インタラクティビティが向上した。② 情報通信の効率化と情報投影の高画質化:ミラー制御による画素ごとの低速点滅制御に対して,LED光源による画面全体の高速点滅制御によって同期処理を効率的に行う基盤技術を確立した。また,赤外光源を追加することで可視光映像の画質劣化を抑える手法についても実現した。。③ 情報投影基盤技術の確立:情報投影技術の思想を一般のLCDディスプレイに拡張する検討を進め,映像面と受光端末の距離の自由度を高める手法を実現した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
計測自動制御学会計測部門論文賞 受賞(2019.8.30)電気科学技術奨励学生賞 受賞(2019.3.12)電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーション賞 受賞(2018.12.13)
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