研究課題/領域番号 |
16H01742
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
山本 健詞 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波応用総合研究室, 総括研究員 (70402469)
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研究分担者 |
大井 隆太朗 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波応用総合研究室, 主任研究員 (40443254)
涌波 光喜 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波応用総合研究室, 主任研究員 (70726140)
市橋 保之 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波応用総合研究室, 主任研究員 (80593532)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ホログラフィー / キャリブレーション / コンピュータ・グラフィックス / 多視点映像 |
研究実績の概要 |
本研究では、ホログラム技術で作るスクリーンと汎用プロジェクタとを使って立体動画像を表示する手法について検討し、有効であるかどうかを明らかにすることを目的としている。具体的には、以下の(1)(2)(3)に書いた3つの技術を確立することにより、左右眼用のみを無理矢理作り出しているステレオ映像とは異なる自然な立体映像を目指している。(1)マイクロミラーや拡散板、回折格子などの光学特性を1枚のシートに自在に連続印刷できるホログラム技術を応用した、革新的な映像用スクリーン(ホロスクリーン)の技術。(2) 汎用プロジェクタをホロスクリーンに投影して動画立体像を表示する技術。(3) 本手法に適した映像を制作する技術。以下、(1)(2)(3)について、それぞれの研究実績を記す。 (1)については、1枚のホロスクリーンに焦点距離が異なるレンズを並べることに成功した。これにより、一般的な金型では高額になってしまう、異なった光学特性を並べたホロスクリーンを生成できることを実証した。 (2)については、パターンを投影して配置しきれない誤差やプロジェクタのレンズ歪などをキャリブレーション(計測)して、キャリブレーション結果に基づき映像をコレクション(補正)する方法について更に検討した。パターンを投影した際にホロスクリーンからは点上の光が反射されるが、この点の位置を抽出するアルゴリズムを改良するなどして、キャリブレーションの精度を向上した。それにより立体映像の品質が改善された。 (3)については、汎用プロジェクタ用で投影する映像を、CGデータから制作する技術を改良した。スクリーンから離れた物体がぼけてしまうという課題があるため、CGデータにおいて物体の位置に注意した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で記した (1)(2)(3)について順調に進捗しているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要に記載した(1)(2)(3)に関して次のことを行い、得られた結果を取りまとめて学会発表を行う。 (1) ホロスクリーンの生成技術:平成29年度までは単色(緑)対応のホロスクリーンであったが、平成30年度はカラー対応ホロスクリーンを試作する。具体的には、従来は緑のみのレーザ光源で作成していたものを、赤青緑の合計3本のレーザ光源を用いて生成する。その際には、光軸の調整や各色のパワーバランスに注意しながら進める。また、平成30年度までと同様に0次光(反射光、最も強く観察を妨害する光)からある程度角度を持った位置に立体像が表示されるように、単純な凹面ミラーを並べるのではなく、凹面ミラーそれぞれにプリズムに相当する位相を載せたホロスクリーンにする。さらに、様々なシステムが実現できることを明らかにするため、特性の違うホロスクリーンを複数作り実験する。 (2) 汎用プロジェクタとホロスクリーンとのキャリブレーション技術:平成29年度までに得た知見を、論文にして学会に発表する。また、この知見をカラー対応ホロスクリーンに適用できるかを明らかにする。 (3) 映像制作に関する技術:ホロスクリーンでの各ミラーのサイズや配置、汎用プロジェクタの画角、(2)で計測したキャリブレーションを考慮して、動画立体像を提示するための汎用プロジェクタ用映像を制作する。
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