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2018 年度 実績報告書

Mgイオンはエネルギー代謝を制御する新規な細胞内情報伝達物質か?

研究課題

研究課題/領域番号 16H01751
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

岡 浩太郎  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (10276412)

研究分担者 チッテリオ ダニエル  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00458952)
舟橋 啓  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (70324548)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード生体生命情報学 / シグナル伝達 / 神経化学 / 細胞・組織
研究実績の概要

最終年度はMgイオンがセカンドメッセンジャーとして機能していることを直接的に明らかにする研究を進めた。
培養初期(~5日目)までの神経細胞ではγ-アミノ酪酸(GABA)は興奮性である。これは塩素イオンの平衡電位が成熟細胞と異なることに起因しているが、この時期にGABA添加は神経細胞でMgイオンの増加を誘引することを初めて見出した。また従来Mgイオンのシグナル伝達下流についての情報は乏しかったが、様々なリン酸化タンパク質活性をFRET型蛍光タンパク質で調べたところ、Mgイオン濃度依存的に、ERK活性の低下、CREB活性の上昇を見いだすことができた。とりわけ細胞内エネルギー代謝との関係が報告されてきているmTORは、その活性はMgイオン濃度に対してシグモイド型応答を示した。またGABAによる細胞内Mgイオン濃度変化を抑制すると、神経回路の形状(神経線維束の太さなど)に変化が生じるのみならず、機能的なシナプス活動や神経接続は抑制された。このことはMgイオンが神経回路の機能的成熟に必須であることを示している。
また神経細胞が過剰に興奮した際のエネルギー代謝の変遷について調べる研究を進めた。現在までに、ミトコンドリア膜電位、ミトコンドリア内ATP濃度、細胞質ATP濃度、解糖系の最終生産物である乳酸、解糖系とTCAサイクルの教会に位置するピルビン酸、mTOR、細胞内Mgイオンのうち、それぞれ2つを同時イメージングすることを可能にした。これらを用い、神経細胞をグルタミン酸で過剰に興奮させた場合、ミトコンドリア膜電位の減少と並行して細胞質のATP濃度が急速に減少すること、またその際には時間遅れなく解糖系が亢進することを突き止めた。神経細胞とグリア細胞は乳酸を介してその機能を双方に制御していることが知られていることから、神経―グリア細胞連関を明らかにすることも可能になると期待できる。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] GABA-Induced Intracellular Mg2+ Mobilization Integrates and Coordinates Cellular Information Processing for the Maturation of Neural Networks2018

    • 著者名/発表者名
      Yamanaka Ryu、Shindo Yutaka、Hotta Kohji、Suzuki Koji、Oka Kotaro
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 28 ページ: 3984~3991.e5

    • DOI

      10.1016/j.cub.2018.10.044

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Mg2+ as a second messenger in early developmental stages of neurons.2019

    • 著者名/発表者名
      Oka K.
    • 学会等名
      IV International Magnesium Symposium “MAGNESIUM IN HEALTH AND DISEASE”
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Characterization of neural cells derived from human dental pulp stem cells.2018

    • 著者名/発表者名
      Ariumura Y, Kikuchi T, Yamanaka R, Shido Y, Hotta K, Mochizuki M, Oka K.
    • 学会等名
      Neuroscience 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] 細胞内局所でのマグネシウムイオンのFRETイメージング2018

    • 著者名/発表者名
      新藤豊,山中龍,鈴木孝治,堀田耕司,岡浩太郎
    • 学会等名
      第27回日本バイオイメージング学会学術集会
  • [学会発表] 細胞内マグネシウムイメージング2018

    • 著者名/発表者名
      新藤豊,山中龍,鈴木孝治,堀田耕司,岡浩太郎
    • 学会等名
      第27回日本バイオイメージング学会学術集会
  • [学会発表] ヒト歯髄幹細胞から誘導した神経細胞とアストロサイトの特徴付け2018

    • 著者名/発表者名
      有村勇輝, 菊池憧子, 山中龍, 新藤豊, 望月真衣, 中原貴, 岡浩太郎
    • 学会等名
      第41回日本神経科学大会

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公開日: 2019-12-27  

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