研究課題
FBGセンサのヒトバイタルサイン検知において以下の成果を得た.(1)脈波形状ごとに分類した上で線形検量モデルにより血圧算出を実施して算出精度が改善することを示した.ニューラルネットワークモデルで血圧値算出を試み,標準誤差10mmHgであった.一方,信号処理方法により誤差が変化するため,収縮期と拡張期で最適な信号処理方法が必須と示された.(2)これまで導出した血糖値検量モデルに新規の被験者データを代入して血糖値算出する実証実験を展開し,連続血糖値算出が可能であることを示した.血糖値算出を深層学習モデルで実施して,EGA結果においてすべてA,Bゾーンにプロットされ臨床的有効性を確認した.(3)FBGセンサを首,肘,手首,足首に装着して同時計測することで,各計測点で計測信号波形が異なること,脈波伝搬によりピーキング現象が観測された.また,呼吸ひずみが生体のどの部分まで伝搬するかを確認した.脈波計測によるバイタルサイン検知機序の解明では,PVA-Hの素材を用い,硬軟が交互した血管モデル作製が可能となり,様々な血管の状態を再現することが可能になった.また,血流の流体力学解析で示された壁せん断応力分布と血管内皮細胞分布に相関があることを示した.装着型システムの研究では,市販の肘用サポーターの周寸法を調整したものにFBGセンサを導入した試作システムを用いた.肘関節内側の上腕動脈の脈動点において,導入したセンサからの脈波の形状を確認しながら位置を調整することで脈波測定は可能であり,肘周寸法に対するサポーター周寸法の割合が小さいほど強い脈波を測定可能であることが判明した.サポーターの周寸法が小さくなくても妥当なS/N比で脈波を検出可な能例もあり,装着条件の最適化を図ることで,人体を過度に圧迫することなく高感度で脈波を検出で,安定したバイタルサイン測定が実現できることが期待される.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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