研究課題/領域番号 |
16H01818
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
浅田 匡 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00184143)
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研究分担者 |
河村 美穂 埼玉大学, 教育学部, 教授 (00361395)
前川 幸子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (30325724)
細川 和仁 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30335335)
姫野 完治 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (30359559)
田村 由美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (90284364)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | わざ / 教師 / 看護師 / 状況に埋め込まれた知 / 行為の中の省察 / 机上シミュレーション |
研究実績の概要 |
教師及び看護師の思考過程を捉えるために,小学校新任教師2名と看護師1名を対象に机上シミュレーションを昨年度と同様の方法で行った。教師については,その指導案に基づき行われた授業記録を収集した。その結果,行為の中の省察が生じる状況を明らかにしたこと,また,その状況における教師の思考過程を記述することが可能であることが明らかになった。しかしながら,机上シミュレーションでは教師の動き(身振りなどを含む)を教師が呈示することが難しく課題と考えられた。一方,看護師については利生判断過程を捉えることができ,具体的なkン後状況における思考過程と看護行為との関係を明らかにできた。また,看護師の臨床判断を培う方法として机上シミュレーションは有用であることが示された。さらに,教師の動きと思考過程との関係を探るため,幼稚園教師2名を対象に机上シミュレーションによるデータ収集を行った。幼稚園教師の場合,教師自身がどのような動き(動線)を行うかは幼児の支援にとっては重要であり,身体地としてのわざと思考過程との関係に迫ることが可能であると考えられた。実際の保育もビデオ録画し,シミュレーションとの対応を分析中である。 教師のわざが状況に埋め込まれた地であるという観点から,ウェアラブルカメラと天球カメラを同時に用いる新しい授業ビデオ記録方法を開発し,データ収集を行った。わざが状況に埋め込まれているということは状況の判断が重要であるということであり,教師がどの方向をどの程度見ているか,をウエアラブルカメラで分析し,天球カメラの映像と照合することにより,教師の状況判断を明らかにする方法の開発である。現在,ウエアラブルカメラの映像を分析中である。 また,これらの成果発表とわざを育てる方法を検討する国際カンフェランスの準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
机上シミュレーション,ウエアラブルカメラの活用に加えて,天球カメラを活用した方法を用いて,状況に埋め込まれた知としてのわざを明らかにするためのデータ収集をデータ分析を進めてきている。まだ,一部分析中のデータもあるが,研究計画はおおむね順調に進んでいると判断される。また,これまでアメリカ,イギリス,タイ,ニュージーランド等における「わざ」の育成に関する教育プログラムに関する資料収集,看護教育および教師教育における文献レビューを進めてきている。これらを踏まえて,研究成果の発表と関連する海外の研究者との交流を中心とした2019年度に国際カンフェランスを開催する準備もほぼ整っており全体としてはおおむね順調に進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
データ収集はほぼ終了しており,現在は分析を進めているところである。同時にそれらの成果を11月に開催する国際カンフェランスで発表するとともに,海外での教育プログラムに関するワークショップを開催し,わざを育てる方法の共有化を図る。 また研究成果は,国内外の学会で発表する予定であり,世界授業研究学会(WALS)での発表は採択されている。
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