研究課題
本研究では、地磁気の方位および強度の永年変化を用いた、過去数千年間の遺跡・遺物の年代決定の方法の確立を目指し研究を進めてきた。そのため日本における方位の標準曲線の抜本的な改定を行い、さらにこれまでは年代推定への適用が困難であった強度の標準曲線を新たに確立し、最終的に方位・強度の標準曲線を統合して、年代が未知の遺跡において数十年以内の精度で年代を測定する手法の確立を目標として研究を行ってきた。本年度も昨年度に引き続き、採取済みの試料(陶邑窯跡群、佐山東山奥窯跡、篠窯跡群、松本市高畑遺跡、田川市上本町遺跡、福岡市博多遺跡など)に加え、新たな発掘調査(八女市田本窯跡など)も行い、これらの試料の整理および考古地磁気分析用試料への生計を行って、古地磁気方位・強度測定実験を進めた。また、これと並行して測定装置の整備・改良を進めた。特に、本科研費で導入した全自動交流消磁装置付きスピナー磁力計のコントロール用ソフトウェアの改良に引き続き取り組んだ。これまでの研究成果のうち、鉱物分析結果に基づく考古地磁気強度データの精査や、それらを用いた陶邑窯跡群や佐山東山奥窯跡などの地磁気強度測定の結果、そして東アジアのデータをコンパイルして求めた西暦200 年から1100 年の3 次元考古地磁気永年変化曲線の復元などの成果発表を国内外の学会で行った。さらに、昨年3月のカンボジア調査に引き続き、今年度はベトナムでの調査を行った。ベトナム南部社会科学院の考古学者とともにチャーキュウ遺跡・ミーソン遺跡などの予備調査を行い、今後、東アジアから東南アジアへ研究を展開する手がかりを得ることができた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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岡山理科大学情報処理センター研究報告
巻: 40 ページ: 45-51
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