研究課題
前年度までに設計・試作した550素子からなる超音波・光音響一体型3D計測プローブに、レーザ照射系、超音波の送受信系を組み合わせて画像計測システムを構築した。これを用いて、ファントムの光音響像および超音波像の計測を行い、画像の解像度、コントラストを評価した結果、ほぼ設計通りの特性を示すことが確認された。今回の計測システムに用いた受信アンプのチャンネル数は、センサ素子数より少ないため、アンプへの接続をマルチプレクサで切り替える必要から、完全な実時間計測は難しかったが、人の指や腕などの計測を行った結果、これまでのスパースアレイのセンサのようなプローブを走査をせずに、1か所の計測でも、高画質な超音波と光超音波の3D計測が可能なことが確認された。一方で、1回の計測で画像化可能範囲であるROIのサイズは、プローブの音響的な焦点域で決まると同時に、励起光の照射範囲の影響も受けるため、測定範囲を広くするには、一様で広範囲の照射法を考える必要があることが確認された。また、現在は、プローブと測定対象をともに、水浸して計測したが、今後、臨床適用を進める上では、プローブと測定対象間にウォーターバックか、光と音の減衰の少ない材料でのカプラをつけるなどの改良が必要と考える。また、上記以外にも、これまでに開発したプローブを用いて、関節炎モデルラット等を対象に、超音波と光超音波の同時計測や、炎症性血管の増加や酸素飽和度の変化の評価が可能なことを実証した。以上から、高機能で実用的な光音響イメージングの実現をめざすという、本研究の目的は達成できたと判断する。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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