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2016 年度 実績報告書

シート型自律神経機能モニタリングシステムの研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 16H01857
研究機関大阪大学

研究代表者

関谷 毅  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80372407)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード有機薄膜トランジスタ / プリンテッドトランジスタ
研究実績の概要

本研究では、関谷らが世界に先駆けて開発した【ウルトラフレキシブル生体信号計測シート(Nature2013, Nature Mater.2010, Science2008, Nature Comm.2014)】を用いて、自律神経機能を定量的に無線計測できる“パッチ式センサシステム”を開発する。更年期障害に不安を抱える女性の“日常生活時、および睡眠時に装着感なく”「脳波」、「心電(心拍)」、「体動」、「発汗」を同時計測できる新しい家庭内医療診断に資するセンサ開発である。さらに、更年期障害関連の生体BIG DATAを解析する手法を情報処理科学の観点から開発することで、膨大に生まれる情報を“可視化”する。更年期症状の把握、疾病程度を包括的に計測、解析することで、更年期障害の定量的診断、早期発見、ホルモン療法などの早期治療への医療基盤を作り出す。特に更年期障害簡易スクリーニング法の開発、潜在的な更年期障害の検出方法を確立することを本研究の目的とする。

初年度(平成28年度)にはプロトタイプの試作、ノイズキャンセリングアルゴリズム、医学部とのチーム連携方針の確認を中心に取り組んできた。以下、取り組んできた内容と成果。研究項目1:更年期症状のパッチ式常時計測シートの開発と計測精度の最適化。2016年度の成果:脳波、心電、体動、発汗の同時計測が可能なプロトタイプの試作と性能評価。研究項目2:更年期症状に関連する脳波、心電、体動、発汗の統合的情報処理技術の開発。2016年度の成果:全生体データのリアルタイム計測と逆位相ノイズキャンセリング手法による低ノイズ化。研究項目3:自律神経に関する情報処理とアルゴリズム化、臨床に適したソフトウェアの開発。2016年度の成果:医学部チームとの連携による更年期症状の可視化についての検討

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に予定していた以下の研究開発項目においていずれも予定していた以上の進展があった。初年度(平成28年度)にはプロトタイプの試作、ノイズキャンセリングアルゴリズム、医学部とのチーム連携方針の確認を中心に取り組んできた。
研究項目1: 更年期症状のパッチ式常時計測シートの開発と計測精度の最適化
2016年度の成果:脳波、心電、体動、発汗の同時計測が可能なプロトタイプの試作と性能評価。研究項目2:更年期症状に関連する脳波、心電、体動、発汗の統合的情報処理技術の開発。2016年度の成果:全生体データのリアルタイム計測と逆位相ノイズキャンセリング手法による低ノイズ化。研究項目3:自律神経に関する情報処理とアルゴリズム化、臨床に適したソフトウェアの開発。2016年度の成果:医学部チームとの連携による更年期症状の可視化についての検討

これらは順調に成果をあげることが出来たほか、実際に予備的な生体計測を医学部との連携において実施することが出来た。これは、予定していた以上の成果であり、実際の生体計測により新たに様々な生体ノイズの除去アルゴリズムの開発に着手することが出来た。

今後の研究の推進方策

本年度の研究開発項目を予定通り進めることが出来たので、計画に基づき平成29年度には以下の開発項目を進めていく。【デバイス開発】における研究開発項目、マイルストン及び研究開発方法。研究開発項目1:更年期症状のパッチ式常時計測シートの開発と計測精度の最適化。2017年度 医学部チームと連携し、医学的有用性の検証を行うとともに、センサシステムの最適化を行う。研究開発項目2:更年期症状に関連する脳波、心電、体動、発汗の統合的情報処理技術の開発。2017年度 信号同期アルゴリズムの確立、更年期症状に関連するデータマイニング・モデリング手法の開発。研究開発項目3:自律神経に関する情報処理とアルゴリズム化、臨床に適したソフトウェアの開発。2017年度 可視化ソフトウェアのプロトタイプ試作と、最適化。さらにデバイス開発のみならず、医学部との連携により、実際の本格的計測を開始する。
【医学部連携】における研究開発項目、マイルストン及び研究開発方法。研究開発項目4:ウェアラブルセンサーによる更年期障害の定量化の試み。2017年度 開発したウェアラブルセンサーの連続的測定の実施(データ収集)。研究開発項目5:潜在的な更年期障害の診断の試み。2017年度 開発したウェアラブルセンサーによる睡眠中測定の実施(データ収集)。なお、この時、実際の患者に対する計測を行うかどうかについては、医学部および倫理委員会の判断により計画する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Ultraflexible organic amplifier with biocompatible gel electrodes2016

    • 著者名/発表者名
      Tsuyoshi Sekitani, Tomoyuki Yokota, Kazunori Kuribara, Martin Kaltenbrunner, Takanori Fukushima, Yusuke Inoue, Masaki Sekino, Takashi Isoyama, Yusuke Abe, Hiroshi Onodera & Takao Someya
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 7 ページ: 11425

    • DOI

      10.1038/ncomms11425

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2018-01-16  

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