研究課題/領域番号 |
16H01860
|
研究機関 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 |
研究代表者 |
富田 優 公益財団法人鉄道総合技術研究所, 研究開発推進部, 担当部長 (40462915)
|
研究分担者 |
大崎 博之 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (10203754)
関野 正樹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (20401036)
岸尾 光二 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50143392)
村垣 善浩 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70210028)
福本 祐介 公益財団法人鉄道総合技術研究所, 材料技術研究部, 副主任研究員 (30426093)
石原 篤 公益財団法人鉄道総合技術研究所, 材料技術研究部, 副主任研究員 (00568347)
赤坂 友幸 公益財団法人鉄道総合技術研究所, 材料技術研究部, 研究員 (30621700)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 超伝導材料 / 超伝導マグネット / 磁場補正 / NMR / MRI / バルク材 |
研究実績の概要 |
コンパクト・高分解能のNMR/MRIに対する需要が昨今高まってきている。本研究は、これらの社会的背景のもとで、超伝導バルクを用いた、ポータブルNMR/MRIシステムの構築を目指し、研究を進めている。当該年度では以下の3点を主に研究を進めた。 1.超伝導バルクを着磁する過程での電磁気的・熱的現象の数値シミュレーションを実施するためのモデルと解析手法、および解析パラメータについて検討を進めた。特に磁気ベクトルポテンシャルAと電気スカラポテンシャルφを用いたA-φ法と、磁界の強さを変数とするH法の両方について、高速化と収束性の向上の比較、検討を行った。 2.超伝導バルクの磁場均一度の可視的評価のため、磁気光学センサーを用いて、磁気光学像の観察を行った。着磁した円柱状のMgB2超伝導バルクに対し、センサーが磁場を感知している箇所が発光し、超伝導バルクが同心円状に均一な磁場を発生していることが可視的に評価することができた。 3.リング形超伝導バルクが発生した磁場の乱れを補正して、NMR信号を取得可能なレベルに均一度を高めるため、開発した3軸シムコイルの性能評価を行った。設計においてギャップ間を設けた2個積層の超伝導バルクを想定し、実測された磁場の均一度をもとに、シムコイルの仕様を決定した。高さ方向のコイルは約0.2 mT/mmまでの線形磁場勾配を出力する設計と、半径方向は約0.1 mT/mmの勾配を出力する設計とした。これらの磁場勾配が出力されることを、数値解析と、ホール素子を用いた測定によって確認した。比較的、高い精度でコイル巻き線を行うことができ、シムコイルの設計どおりの出力を得ることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
円柱状のMgB2超伝導バルク、シムコイルの作製に成功しており、おおむね計画通り進展できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
超伝導バルクを着磁する過程での電磁気的・熱的現象のシミュレーションの精度をあげるとともに、より大型なリング状超伝導バルク体を作製し、ポータブルNMR/MRIシステムの構築を行う。
|