研究課題
骨格筋の「機能的・形態的・材質的」特性の機序解明や、可塑性に関する研究を発展させた。令和元年度に開始した子供に関する研究を進め、就学前児童・小学校低学年児童の身体特性や、歩・走・跳といった基本的な運動能力の発達の特徴について、筋特性との関連性から検討を行った。その結果、青年や成人には見られない、特徴的な歩行中の地面反力発揮パターンや、特異的な下肢筋群の相対発育などが示された。1年以上をかけて行った子供のデータ取得は一段落し、現在、投稿論文の準備中である。子供の健全発育を促すためのシューズの開発など、社会的な応用も視野に入れた研究を進めた。また、これまでのわれわれの研究を通じて明らかになってきた、骨格筋の重要な構成要素であるFascia(筋膜・腱膜を含む膜性組織)の部位特異性や性差、弾性特性の運動時の変化などについての研究が大きく進展し、研究論文の国際誌への掲載が進んだ。さらに、腱症の評価や、症状の悪化を食い止めるための栄養介入についての研究を国内で、高強度運動時の肉離れの発生機序に関する基礎的研究をオランダ、フリー大学の協力を仰ぎながら、進めることができた。年度末に生じた新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、特に最後の研究におけるデータ取得が後半に滞ったが、臨床研究を今後さらに発展するための素地を作り上げた。研究サポートの対象となったエリートアスリートが2020年のオリンピックで活躍する機会は逸したが、2021年度以降のさらなる活躍を期待したい。この点に関連して、研究期間を通して実施中の、a)よい動作の体感・実践、b)身体能力の徹底解析とタレント発掘、c)最適コンディショニング法の提案、d)身体能力向上モダリティの開発、も継続・発展させた。研究成果は、学術論文以外にも国内外の学会発表やシンポジウム、ワークショップ、招待講演、研究室ホームページ等を通して公表した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 14件、 招待講演 6件) 図書 (1件) 備考 (2件)
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