研究課題
本研究では小中高生の思春期・青年期コホート研究により疲労児の発生に関わる危険因子を同定し、疲労児のみならず小児慢性疲労症候群等の疲労関連小児疾患患児に対して課す、自律神経・脳機能指標を基に生理学的メカニズムに立脚した易疲労性・疲労回復性の評価試験において抗疲労介入研究を行うことで有用な疲労克服法・治療法の創出を目指す。疲労・学習意欲関連質問票の調査から、10年前に実施した調査結果と比し、小学生と中学生いずれも疲労が増加傾向にあることが明らかとなった。疲労度、学習意欲および注意制御機能の相関関係も再現され、学年変化に伴う睡眠時間短縮傾向が疲労度の増加現象と密接に関連していた。睡眠時間との相関性を示す生活習慣として、ソーシャルネットワーキングサービスへの接触頻度、家族と過ごす時間が関係することがみえてきた。行動試験においては、小児慢性疲労症候群患者と摂食障害患者間では注意制御を要する認知課題前後の自律神経機能活動指標の動態が異なる易疲労性に関する特異性がみられた。今後、追跡研究を実施することで治療による自律神経機能動態変化の特徴が明らかになることが期待できる。
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画通りに順調に研究を進めることができた。
当初計画していた研究内容に基づき次年度も研究を推進する。被験者および保護者の倫理的配慮にも注視しならが慎重に研究を行う。そして、疲労因子の同定と、その介入効果、治療効果成果を創出し、医療従事者と国民に還元できる新たな知見が得られるよう研究を進めて行く。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 4件)
Neuroimage: Clinical, 12: 600-606, 2016.
巻: 12 ページ: 600-606
doi: 10.1016/j.nicl.2016.09.016