研究課題/領域番号 |
16H01897
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原 正一郎 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (50218616)
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研究分担者 |
浅見 泰司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (10192949)
大垣 英明 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (10335226)
亀田 尭宙 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 助教 (10751993)
岡部 寿男 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (20204018)
矢野 桂司 立命館大学, 文学部, 教授 (30210305)
関野 樹 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 教授 (70353448)
山田 太造 東京大学, 史料編纂所, 助教 (70413937)
河野 泰之 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (80183804)
森 信介 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (90456773)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地域間比較研究 / 地域の知 / 地域情報学 / ビッグデータ / オントロジー / 機械学習 |
研究実績の概要 |
21世紀の情報化社会に即した地域研究を支援する地域研究情報基盤を開発し,その有効性を地域研究フィールドワークデータで評価する.そのために以下の3課題6テーマの研究を継続した. 『課題1:「地域の知」ビッグデータ共有基盤の構築研究』について:テーマ1(クラウド環境の構築)では,本学学術クラウドを利用してWebを対象としたクローリングによるデータ収集を継続した.研究テーマ2(資料デジタル化スキームの確立)では,デジタルデータの作成・長期保存・公開に関する技術動向調査を継続した.またデータ長期保存用メタデータの試行版を設計し,地域研究情報基盤に実装した.関連する国際会議を主催した.研究テーマ3(メタデータの設計)では,地名辞書データを公開した.時空間データについてはオントロジーの検討を継続し,関連する国際会議を開催した.研究テーマ4(「地域の知」ビッグデータ共有基盤の構築)では,RDFを利用したデータベースシステムの構築とオントロジーを利用した共有化の試行を継続した. 『課題2.情報分析手法と支援ツールの開発』について:研究テーマ5(推論用アルゴリズム研究)では,研究テーマ1で収集したデータを対象として,トピック分析により主題の抽出と分類を自動化する機能を実装した.また,データからの地理関連語彙の抽出と緯度・経度の付与を自動化するため,自然言語処理と機械学習を組み合わせた手法を開発し実装を試みた. 『課題3:地域をデザインする地域研究の推進』について:研究テーマ6(評価実装)では,データベース構築支援ツール等の機能更新と公開へ向けての検討を継続している.また地域研究への適用および評価については,ラテンアメリカを対象としたデータ収集を開始すると同時に,特に研究テーマ5の自然言語処理および機械学習部分の多言語化を進めた.これらの結果を国際会議および論文により発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記述したように,平成30年度は,①情報基盤の構築,②デジタル化データの利活用に関する検討と実装,③空間データの公開と時間データを対象としたオントロジーの設計,④RDFを利用したデータ共有の試行,⑤機械学習によるビッグデータ分析の試行について,概ね順調に進んだため.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度に引き続き,『課題1:「地域の知」ビッグデータ共有基盤の構築』について,研究テーマ1(クラウド環境の構築)では,本学の学術クラウドを利用して海外のWebを対象としたクローリングによるデータ収集を進める.さらに研究テーマ5で構築するシステムと連携する.研究テーマ2(資料デジタル化スキームの確立)では,デジタルデータの作成・長期保存・公開に関する技術動向調査とメタデータ設計および実装を継続する.成果を研究テーマ4で構築するデータ共有基盤に反映する.研究テーマ3(メタデータの設計)では,語彙の概念をコンピュータ処理できるように形式化・体系化するオントロジーツールを試作し,研究テーマ4で構築するデータ共有基盤と連結する.特に時空間語彙とデータの利活用に関する国際ワークショップを開催する.研究テーマ4(「地域の知」ビッグデータ共有基盤の構築)では,RDFを利用したデータベースシステムの試行を継続し,断片的な「地域の知」の連結を試みる.海外の地域研究関連機関が公開している学術データベースとの連携研究を継続する.試行システムを稼働させる.本研究テーマに関わる国際ワークショップを開催する. 『課題2.情報分析手法と支援ツールの開発研究テーマ5(推論・応用アルゴリズム研究)』について,研究テーマ1で収集するデータを対象として,主題による内容の自動分類,地理情報の自動抽出と緯度・経度の付与,およびこれらの空間上における可視化研究を継続する.試行システムを稼働する. 『課題3.地域をデザインする地域研究の推進研究テーマ6(評価・実装とリテラシ教育)』について,課題1および課題2において実装を終了したシステムの公開を開始すると同時に,情報リテラシ教育を含めた講習会等を実施する.課題1および課題2と協調し,データ共有基盤を利用した計量的な地域分析を試みる.
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