研究課題/領域番号 |
16H01898
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
石井 知章 明治大学, 商学部, 専任教授 (90350264)
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研究分担者 |
藤川 久昭 青山学院大学, 法学部, 教授 (30286223) [辞退]
山下 昇 九州大学, 法学研究院, 教授 (60352118)
梶谷 懐 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (70340916)
鈴木 賢 明治大学, 法学部, 専任教授 (80226505)
阿古 智子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80388842)
早川 智津子 佐賀大学, 経済学部, 教授 (90451492)
戸谷 義治 琉球大学, 法文学部, 准教授 (10643281)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 習近平体制 / 非正規雇用労働問題 / 日中雇用・労使関係 / 中国のリベラリズム / 現代中国 / 労働問題 / 労使紛争 / 労働NGO |
研究実績の概要 |
29年度はじめに、明治大学において、本プロジェクトの研究組織内部での会議を開き、28年度の活動報告及び29年度の活動予定について話し合った。 28年度の文献調査、現地調査によって得られた経験、情報、分析に基づいて、29年度は中国の第一線で活躍する研究者らとともに、2017年5月20・21日、明治大学グローバルホールおいて、「第3回日中雇用・労使関係シンポジウム――非正規時代の労働問題」と題して、日中間での国際シンポジウムを開催した。このシンポジウムの開催を通して、研究チームによる研究活動・成果を広く社会的に共有するとともに、中国の研究者との討議・研究を深めた。 参加者は、本研究プロジェクト代表者、研究分担者、さらに日本の非正規労働分野の最前線で活躍している研究者ら18名、および中国から中国人民大学労働人事学院、中国首都経済貿易大学労働経済学院、上海師範大学、吉林大学法学院、中国労働関係学院など各研究機関の研究者約10名、および一般参加の聴衆約150名であった。 なお、この公開シンポジウムの提出論文だけでなく、討議内容もすべて編集してまとめ、1冊の出版物(報告書、あるいは論文集)として近日中に広く社会的に共有することになっている。2018年5月現在、御茶の水書房からの出版が内定している。なお、このシンポジウムの開催、および報告書の編集作業は、おもに研究代表者と現代中国研究所があたった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
29年度はさらに7月30日(日)、明治大学駿河台校舎グローバルフロント1階グローバルホールにて中国、カナダから5名の論者をお招きして、国際学術シンポジウム「現代中国のリベラリズム再考」を開催した。 これまで日本では、中国近現代(modern)の自由主義についての紹介は行われてきてはいるものの、現代(contemporary)思想としては「新左派」を中心にしてのみ扱われるという顕著な傾向があった。それは現代中国におけるリベラリズムが、実際には社会民主主義から民主社会主義、さらにはリバタリアニズムまで視野に入れているにもかかわらず、現執行体制のイデオロギーに対して根源的に「批判的」であるため、これまで体制側による一方的評価である「反体制」として分類されがちであったためである。 本シンポジウムでは、中国国内で活躍している代表的リベラリストとともに、さらにカナダからの中国研究者による関連テーマについての報告を交えつつ、現代中国の政治・社会思想としてのリベラリズムの全体像を模索した。 本来、この会議は2018年に開催予定であったが、研究代表者が特別研究でコロンビア大学に在外研究に出ていたこともあり、コロンビア大学における同内容のイベントとともに、東京とニューヨークとで共同開催することになった。これによって、現代中国研究をめぐる日米間の研究体制の構築に大きく寄与することになった。
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今後の研究の推進方策 |
29年度に得られた各研究分担者による文献調査、さらにシンポジウムの開催・参加などによって得られた経験、情報、知見に基づき、30年度はその成果を論文集としてまとめ、出版することとする。 既述の「第3回日中雇用・労使関係シンポジウム――非正規時代の労働問題」に参加した日中の研究者たち論文はほぼ出揃い、中国からの参加者の論文についても、すでに中国語から日本語への翻訳作業も終了しており、本年度の残る活動は、おもにこの書籍の編集作業に集中し、1冊の出版物(報告書あるいは論文集)として出版し、この研究成果を広く社会的に共有することにある。 なお、このシンポジウム報告書・研究書の編集作業は、おもに研究代表者と現代中国研究所があたる。さらに年度末には、これらの成果を踏まえて、さらに東京(明治大学)で研究組織内部での共同研究会を開催予定である。
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