研究課題/領域番号 |
16H01904
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東長 靖 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (70217462)
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研究分担者 |
赤堀 雅幸 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (20270530)
二宮 文子 青山学院大学, 文学部, 准教授 (40571550)
中西 竜也 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40636784)
丸山 大介 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 准教授 (60749026)
私市 正年 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (80177807)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | イスラーム / 神秘主義 / タリーカ / 聖者信仰 / スーフィズム |
研究実績の概要 |
事業2年目にあたる本年度は、研究会・現地調査・国際発信・次世代育成を4本の柱として、活動を行った。研究会は、実例報告を中心とした第1回(7月23日)、スーフィズム概念の精緻化のための第2回(12月23日)の2回実施した。また3班合同研究合宿を11月11-12日にKKR伊豆長岡荘で行った。現地調査に関しては、マッチングファンドも活用しつつ、共同調査をイタリアで8月に実施した。 国際発信に関しては、①アメリカ・トルコ・日本などから30名の発表者、100名の参加者を集めた国際会議”Islamic Studies and the Study of Sufism in Academia:Rethinking Methodologies”を5月20-21日に京都大学で開催し、本科研の参加者全員が発表を行った。また、②フランス国立社会科学センター(CNRS)とのジョイントセミナー(”Holy Relics and Religious Commodities in Islam,” 1月21-22日、東洋大学熱海研修センター)および③釜山外国語大学地中海研究所とのジョイントセミナーにおいて、研究分担者の二宮文子、連携研究者の安田慎・高橋圭が口頭発表を行った。次世代育成に関しては、上述の①の国際会議のアネックスおよび③のジョイントセミナーのアネックスとして、院生による英語パネル・ワークショップを開催した。この場では、フランス高等研究実習院(EPHE)・京都大学・上智大学・東京大学の大学院生計10名が発表を行い、本科研参加者がコメントを付すとともに指導を行った。成果発表については、各自が論文や口頭発表の形で行うとともに、8本の論文を収録したTONAGA Yasushi (ed.), The Bridge of Cultures: Potentiality of Sufismを刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、タリーカ・聖者信仰の概念化に向けた実例の検討を行うとともに、スーフィズムの三極構造論の精緻化に積極的に取り組んできた。 昨年度の研究成果を元に5月に大きな国際会議を開催するとともに、1月にCNRS(フランス)、2月に釜山外国語大学(韓国)との間でジョイントセミナーを実施し、成果を国際的に発信してきた。また、英語による論集も刊行した。 若手育成にも十分な力を注ぐことができ、スーフィズム・タリーカ・聖者信仰研究、ひいてはイスラーム研究・現代中東地域研究の次世代を育てることに貢献しえたと自負している。
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今後の研究の推進方策 |
スーフィズムの三極構造論の精緻化は順調に進んでいるが、タリーカおよび聖者信仰の概念化・分析枠組の定立が若干遅れ気味であり、引き続き来年度の課題としたい。 この作業と同時並行で、スーフィズム・タリーカ・聖者信仰という3つの概念の異同についての検討を進めていきたい。 複合現象という新しい概念を社会に問うための『スーフィズムを学ぶ人のために』(世界思想社より刊行予定)の執筆も進めているが、当初予定より若干遅れ気味なので、早期に刊行すべく努力したい。
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