研究課題/領域番号 |
16H01928
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
今井 むつみ 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (60255601)
|
研究分担者 |
大槻 美佳 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (10372880)
秋田 喜美 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (20624208)
酒井 弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50274030)
佐治 伸郎 鎌倉女子大学, 児童学部, 講師 (50725976)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 心理言語学 / 恣意性 / 非恣意性 |
研究実績の概要 |
本研究では、触覚素材に対する新規表現の産出を通じ、言語のもつ音韻構造による影響の、言語特異的な側面と言語普遍的な側面とから分析すべく、ドイツ語およびインド・ヨーロッパ語族の中でも英語やドイツ語といったゲルマン語派と異なるスラブ語派に属するチェコ語を対象に加え、実験データ記録用のノートPCにて調査を実施した。得られたデータの分析は次年度に行う予定である。また、色を表す語彙を初め、破壊動作(切る・破る・裂く・千切る)などの語彙は典型的に用いられる色や、動作がある一方で黄色/黄緑の境界や破る/千切るの境界のように語彙の意味領域が曖昧であり複層的に用いられる。こうした恣意的な語彙がシステムとしてどのように構造化され、発達とともに獲得されていく過程についても、併せて調査するため、保育園において色の語彙に関する継続調査および動作動詞の構造化の調査を行った。色や動作動詞の語彙が、単一の語に他の語彙を付け加える形で構造化される形で獲得されているのではなく、複数の典型となる語彙の基盤となる構造を獲得することが分かった。さらに、一旦基盤となる安定した構造を獲得した後に、曖昧な語などを獲得する際は、基盤構造を更新する形で行われていく過程も確認することができた。色の語彙については、触覚の調査と同様に、ドイツ語・チェコ語を対象にして成人を対象とした調査を実施した。こちらのデータに関する分析も次年度予定している。 今後はより詳細な分析を進め、色語彙の獲得と動作動詞獲得の関係性についても横断的に分析を進める。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
繰り越し分のうち、チェコおよびドイツにおける触覚調査、色語彙調査を予定通り実施できた。さらに、英国において英語のデータを収集した後、次年度データの分析を進める
|
今後の研究の推進方策 |
比較対象の外国語にチェコ語を加えた点が当初予定との変更点であるが、全体の研究については予定どおり進める。
|