研究課題/領域番号 |
16H01940
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永原 陽子 京都大学, 文学研究科, 教授 (90172551)
|
研究分担者 |
松田 素二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50173852)
Bhatte Pallavi 京都大学, 人間・環境学研究科, 特定講師 (30761366)
粟屋 利江 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (00201905)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 植民地 / 植民地兵 / 第二次世界大戦 / 性的動員 / 労働動員 |
研究実績の概要 |
本研究初年度の2017年度は、下記のような活動を行った。 (1)研究会:以下の3回の研究会を行い、4年間を通しての研究計画をメンバーで共有するとともに、具体的な事例研究を進めた。 第1回(2016年5月14日):メンバー各自の研究紹介と本プロジェクトの方針についての確認;第2回(2016年10月1日):網中昭世(連携研究者)「ポルトガル領アフリカから東アジアへの植民地兵派兵―マカオにおけるアンゴラ人脱走兵をめぐる一考察」、遠藤正敬(研究協力者)「植民地支配における徴兵と戸籍―管理・動員・皇民化」;第3回(2017年3月24日)粟屋利江(研究分担者)「第二次世界大戦とインド兵をめぐる研究動向」、深澤安博(研究協力者)「植民地軍と「原住民」兵―スペイン領モロッコの場合」 (2)海外調査および研究打ち合わせ:以下のような史料調査・研究打ち合わせを行い、その成果を上記研究会の際に相互に報告し合った。 アンゴラ・ナミビア現地調査(2016年8月、担当:永原):南部アフリカ植民地兵にかんする聞き取り調査および史料調査;マルメー研究打ち合わせ(2016年9月、担当:永原陽子):海外研究協力者Tekeste Negash教授(ウプサラ大学名誉教授)と2017年度に実施予定の国際会議にかんし研究打ち合わせ;リスボン史料調査(2017年3月、担当:網中昭世):ポルトガル海外ポルトガル歴史公文書館およびポルトガル海外領歴史公文書館でのアンゴラ植民地兵に関する史料調査;インド史料調査(担当:上杉妙子):ニューデリー及び郊外のノイダでの聞き取り調査(旧ゴルカ連隊の軍人)、同ネルー記念図書館でのゴルカ連隊関連史料の閲覧
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前項で示したとおり、初年度の計画に即し、メンバーの集まる研究会において、第二次正解大戦期の日本帝国関係、ポルトガル=アンゴラ関係、スペイン=モロッコ関係、イギリス=インド関係にかんする事例研究を進め、植民地兵の徴募のしくみ、当該社会の労働関係にかんする歴史的文脈と植民地兵徴募の関係、植民地兵投入の実際、帰還後の当該社会との関係などについて比較の視座を検討しながら、実証的な研究を進めてきた。また、史料収集およびインタビュー調査も順調に進んでいる。 また、マルメーでの研究打ち合わせにより、2017年度に実施予定の国際会議について、取り上げるべきテーマや招聘者などについての概容を定めることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
第2年度も、引き続き事例研究の対象を広げ、比較研究の内容を拡大すると同時に、地域を超えた植民地兵の移動、植民地兵にかかわる女性の移動についても研究対象を広げ、研究会の形で検討を進めていく。そのさい、メンバーのみでカバーすることのできない事例、とりわけ、当初の研究計画で予定していたとおり、研究協力者の協力をあおぐ形で日本帝国にかかわる研究を比較史的に本研究に組み入れるための研究会を開催することとする。 また、海外研究協力者との連携を広げ、年度末に計画している国際会議に向け、メールでのコミュニケーションにより、テーマの深化を図る予定である。
|