研究課題/領域番号 |
16H01981
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小畑 郁 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (40194617)
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研究分担者 |
横溝 大 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (00293332)
桑原 尚子 早稲田大学, 法学学術院, その他(招聘研究員) (10611361)
市橋 克哉 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (40159843)
吾郷 眞一 立命館大学, 法学部, 教授 (50114202)
西澤 希久男 関西大学, 政経学部, 教授 (50390290)
水島 朋則 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (60434916)
須網 隆夫 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (80262418)
KUONG TEILEE 名古屋大学, 法政国際教育協力研究センター, 准教授 (80377788)
島田 弦 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80410851)
鈴木 將文 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (90345835)
瀬戸 裕之 新潟国際情報大学, 国際学部, 准教授 (90511220)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ASEAN / 東南アジア法 / 国際経済法 / 比較法 / 経済統合 |
研究実績の概要 |
ASEANの制度面では、まず2016年8月の経済閣僚会議で採択されたAEC 2025 Monitoring and Evaluation (M&E) FrameworkがAEC Blueprint 2025の実施をモニターするための中心的制度であることが明らかになった。これを実質的に動かしているのは、事務局内に設けられているASEAN Integration Monitoring Directorate (AIMD)であり、この機関にAEC構築の実態についての情報が集約されつつあると考えられる。2017年7月にASEAN10か国の批准で発効したASEAN憲章紛争解決議定書も憲章上の紛争の解決手続を定めるものとして注目される。このようにAEC構築の過程で、コンセンサス重視のASEAN WAYには修正が加えられつつある。とはいえ、AEC構築の主要ツールは依然として、極めて頻繁に開かれる会議であり(ウィークデーに平均して4つの会議が平行してASEAN各地で開催)、この実態に迫る必要性がある。また、AECの制度を実質的に決定する要素として、より広い諸国で合意される国際基準が重要であり、これについての研究が進められた。より、具体的には、中国の影響力が注目され、端緒的分析が行われた。 ASEAN各国法については、まず、法の再生産構造を決定している高等教育機関における法学教育について調査がすすめられた。個別の研究では、とりわけベトナムにおける近年の憲法論議や法体系化の現状と課題、タイ民商法の経路依存的発展の状況などについて、注目すべき実績が生まれた。この各国法を実質的に動かしているのは、AEC構築も主要因となっている域内のヒトの移動の活性化であり、その実態と各国における法による対応を、国際会議を開催して検討した。この分野では、健全な規制が全体として立ち後れていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
事務局に配置する予定であった技術補佐員について、2017年12月まで適当な人材が得られず、専任不在の事務体制ですすめざるをえなかった。研究代表者がセンター長をつとめるセンターの予算削減などにより校務負担が激増し、研究の舵取りに割く時間が著しく制約された。ジャカルタの治安状況が依然として好転せず、ジャカルタでのセミナー開催を断念せざるを得なかった。代わりにASEAN事務局関係者の招聘に努めたが、関係者も多忙を極め、本研究の参加者の都合とほとんどあわせることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者自身が研究会事務局に責任をもつ体制を確立する。事務局会議を定例化し、研究会・研究打ち合わせをより頻繁に開催する。 これまでもASEAN事務局内に研究協力者をおいていたが、より中枢部に非公式のコンタクト・パーソンを確保し、ASEAN事務局の働きをより緊密にフォローする。とりわけAIMDの動きをフォローする。これを通じて、AEC 2025 M&E Frameworkの機能を明らかにする。 各国の法状況の調査をAECとの関係をより意識して、これまでよりも組織的に実施する。 2018年12月に予備総括の場として国際会議を開催する。
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